なぜ65歳以上の高齢ドライバーを優遇? 若者には関係ない「サポカー補助金」とは

サポカーであっても補助金対象外のクルマも!? 意外に厳しいその条件とは

 サポカー補助金の対象者は基本的に65歳以上のドライバーですが、対象となる「サポカー」とは、どのようなクルマなのでしょうか。

 サポカーは、「セーフティ・サポートカー」の略で、先進安全技術で安全運転を支援してくれるクルマ、つまり「安全運転サポート車」のことです。

日産「デイズ」に搭載された安全機能が動作する様子(イメージ写真)
日産「デイズ」に搭載された安全機能が動作する様子(イメージ写真)

 搭載する機能により「サポカー」と「サポカーS」のふたつに分けられ、前者は「衝突被害軽減ブレーキ」を搭載したクルマを、後者は衝突被害軽減ブレーキに加え「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」などを搭載したクルマを指します。

 さらに、サポカーSは衝突被害軽減ブレーキの機能に応じて、低速衝突被害軽減ブレーキ(対車両)の「ベーシック」、衝突被害軽減ブレーキ(対車両)の「ベーシック+」、衝突被害軽減ブレーキ(対歩行者)の「ワイド」とみっつの区分が設けられています。

 これらのなかでサポカー補助金の対象となるのは、「衝突被害軽減ブレーキ(対歩行者)」を搭載した「ワイド」のクルマだけになります。

 つまり、サポカーSであってもワイド以外は対象外ということです。逆に、ペダル踏み間違い急発進抑制装置を搭載しないサポカーでも、対歩行者の衝突被害軽減ブレーキを搭載していれば補助金の申請が可能です。

 補助される金額は、搭載される機能により異なります。

「衝突被害軽減ブレーキ(対歩行者)」と「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」の両方が備わる場合は普通自動車(新車)が10万円、軽自動車(新車)が7万円、中古車が4万円。

「衝突被害軽減ブレーキ(対歩行者)」のみの場合は普通自動車(新車)が6万円、軽自動車(新車)が3万円、中古車が2万円となります。

 気を付けなければいけないのが、衝突被害軽減ブレーキ(対歩行者)を搭載していても車両価格に上限があるなど、ほかにも条件があることです。

「審査委員会が認定した車種・グレード」として、経済産業省のホームページで具体的な対象車種が公開されているので、購入・申請にあたっては必ずそちらをチェックしましょう。

 車両導入(購入)の補助ではなく、もう一方の「後付け装置導入補助」では、「後付けのペダル踏み間違い急発進等抑制装置」が補助対象の装置に該当します。

 補助額は障害物検知機能付が4万円、障害物検知機能なしが2万円で、対象者は2020年度中に満65歳以上となる高齢運転者に装置を販売する者とされています。

 つまり、装置の販売・取り付けをおこなった販売店等が申請者となるので、購入者は補助金額が差し引かれた額で購入することになり、改めて申請する必要はありません。

 なお、補助の対象となる後付け急発進等抑制装置は、国土交通省の認定を受けたものだけです。こちらについても国土交通省のホームページで対象装置を確認することができます。
 
※ ※ ※

 サポカー補助金の期限は設定されていませんが、補助金の合計が1127億円の総予算額に達するまでとされ、およそ2021年2月ごろと想定されています。

 詳細については、今後「次世代自動車振興センター」のホームページで案内される予定です。

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