走り良し、見た目もカッコイイ! FFスポーツカー3選

英国製FFスポーツカーは酷評された!?

●ロータス「エラン」

秀逸な走りながらFFが仇となってしまった「エラン」
秀逸な走りながらFFが仇となってしまった「エラン」

 天才技術者のコーリン・チャップマンが創業したロータスは、いまもイギリスを代表するスポーツカーメーカーです。

 F1マシンを製作するほどの高い技術力を持っていたロータスは、高性能な市販車を数多く生み出しました。そのなかの1台が、1962年に登場した初代「エラン」です。

 エランは鋼板製バックボーンフレームにFRP製ボディを架装したオープン2シーター(後にクローズドボディを追加)のFRスポーツカーで、軽量な車体にパワフルな1.6リッター直列4気筒DOHCターボエンジン(NAもあり)を搭載し、優れた走行性能を発揮。

 エランはヨーロッパとアメリカでヒットし、その後も改良が重ねられて1975年まで販売されました。

 その後ロータスはトヨタと資本関係を結び、1986年にはゼネラルモーターズ(以下、GM)の傘下に入り、1990年にはオープン2シーターの2代目エランを発売。

 初代と同じくバックボーンフレームにスタイリッシュなFRP製ボディを載せ、ロータスと同じく当時GMの傘下だったいすゞ製の1.6リッター直列4気筒エンジンとトランスミッションが搭載され、駆動方式はFFとなっていました。

 2代目エランは4輪ダブルウイッシュボーンサスペンションを採用し、ロータスの手によるセッティングから優れたハンドリングを実現。新世代のFFスポーツカーとして高く評価されます。

 しかし、伝統的に後輪駆動のクルマを製造してきたロータスがFFを採用したことと、高額な価格だったことから販売は極端に低迷し、1995年に生産を終了。

 その後、2代目エランの製造権が韓国のキアに売られ、1996年にキア「エラン」(日本では「ビガート」)として販売されました。

※ ※ ※

 エランがそうだったように、スポーツカーは後輪駆動でなければいけないと定義する人もいます。

 実際に、後輪駆動車はアクセルワークによってクルマの向きをコントロールする醍醐味があり、スポーツドラインビングには適しているといえます。

 一方で、速さという点ではFF車に分があるのも確かですが、これは出力がそれほど高くない場合に限られます。

 現在、国産FF車で高出力なクルマといえばシビック タイプRがあり、320馬力を誇りますが、おそらくこれくらいがFF車では限界に近いのではないでしょうか。

 これ以上高出力化が進んでも、駆動力が路面に伝わらなくては意味がありませんから。

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Writer: くるまのニュース編集部

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