ベルトーネの夢の跡、世界に1台しかない激レアスーパーカー3選
ランボルギーニ「ミウラ」や「カウンタック」をデザインしたカロッツェリア・ベルトーネが2015年に経営破綻したあと、膨大なコレクションを受け継いだヴォランディア航空公園博物館から、世界でここでしか見ることができないスーパーカーを3台紹介しよう。
夢となったベルトーネ製フェラーリ・オープンモデル
イタリア・ミラノへの旅の始まりといえば、日本からの直通便をはじめとする国際線の表玄関となっているミラノ・マルペンサ空港だ。そして日本の成田国際空港に「航空科学博物館」が隣接するように、マルペンサ空港の敷地内にも「VOLANDIA – Parco e Museo del Volo(ヴォランディア航空公園博物館)」と名づけられた、広大な敷地を有する航空機ミュージアムが存在する。
もともとは、スタジオジブリの劇場アニメ映画『風立ちぬ』(2013年公開)劇中にも登場したイタリアの航空機メーカー「カプローニ」社が、1909年に建築したとされる工場と専用飛行場だった広大な敷地に、旧き良きレンガ造りの工房/格納庫をリニューアルした建物が点在しており、その内外に、20世紀初頭から1970年代に至る航空機の数々が展示されている。
この航空機展示が、素晴らしいものであることは間違いない。しかしこのミュージアムには、自動車エンスージアストにとっても魅力的なホールが存在する。
2018年にスタートした「期間限定企画展」という位置づけではあるものの、筆者がヴォランディアを訪れた2019年10月の段階でも依然として継続開催されていた「ベルトーネ」館である。
この企画展は、2015年に経営破綻してしまった「カロッツェリア・ベルトーネ」が長年所蔵してきた自社コレクションによるものだ。
ベルトーネの破産によって散逸してしまうことを防ぐために入手した、イタリアのクラシックカークラブの総本山「Automotoclub Storico Italiano(略称A.S.I.)」とのコラボレーション企画として、「ランボルギーニ・ミウラ」や「クンタッチ(カウンタック)」をはじめとする、ベルトーネ歴代の名作たちが一堂に会しているのだ。
今回は、ヴォランディアのベルトーネ企画展において遭遇したカロッツェリア・ベルトーネの歴史的マスターピースから、選りすぐりのドリームカー3台をリストアップして、紹介させていただくこととしよう。
●フェラーリ308GTレインボー
まず紹介したいのは、1970年代のベルトーネ製コンセプトカーのなかでも、もっとも有名なもののひとつと思われるフェラーリ「308GTレインボー」である。
ベルトーネが、初めてフェラーリからの正式なオファーを受けてデザイン・生産を受託したモデル「ディーノ308GT4」をベースに、当時2シーターのオープンモデルを模索していたフェラーリに対するプロポーザルとしてワンオフ製作されたコンセプトカーとして、1976年のトリノ・ショーに出品された。
デザイン作業を担当したスタイリストは、この時代には既にスーパーカーの巨匠としての地位を固めつつあった鬼才、マルチェッロ・ガンディーニだ。308GTレインボーでも、シャープ極まる全体像や、斜めにカットされたリア・タイアハウスなど「ガンディーニ・スタイル」が全身にみなぎるようである。
しかし、このコンセプトカーにおける最大の特徴は「変形タルガトップ」ともいうべき、デタッチャブル式のルーフにあると見るべきだろう。
トップ後端を支点に約90度クルリとリフトアップしたのち、運転席/助手席の背後に下降させる。ルーフ前部に設置された、ムーンルーフのような透明スリットは、オープン時の後方視界を妨げないための、実に秀逸なアイデアなのである。
しかし、あまりにもアグレッシブなスタイルが災いしたのか、フェラーリはピニンファリーナのデザインによる「308GTB」をオープン化した「308GTS」を生産化することを決定する。レインボーは、一台のみのコンセプトに終わってしまった。
しかしこの時代のアイコン的なドリームカーとして、カーマニアはもちろん、子供たちの人気も獲得したレインボーは、欧州やアメリカのショーなどにも展示されたほか、日本でも1977年7月15〜29日に、東京の晴海旧見本市会場にて開催された「ラ・カロッツェリア・イタリアーナ77」という展示イベントにも出展されていたことを、覚えている人もいるだろう。
フェラーリベルトーネレインボー懐かしいですね。赤いペガサスの赤馬 研の愛車だよ。
そうそう 暴走族に死のおしおきをしてたよな。
スーパーカーブームのころのマンガはわりとそんなの多かったよね、アルファロメオ・ナバホとか乗ってた悪役とかいたり。