スズキが「ジムニートラック」に本気!? ピックアップ登場は2023年頃か?
2019年の東京オートサロンにスズキが出展した「ジムニーシエラピックアップスタイル」は、多くの来場者から好評でした。量産化を望む声がたくさんあったといいますが、果たして、発売される予定はあるのでしょうか。
ジムニートラックの量産化は実現するのか?
「ジムニーシエラ」のピックアップトラックスタイルは、スズキが東京オートサロン2019に参考出品し、来場者やメディアから量産化への期待が高まった1台です。
あれから1年以上経ちますが、果たして本当に量産されるでしょうか。
ピックアップトラック仕様について、ジムニーの開発責任者は次のように話していました。
「過去にピックアップトラック仕様があり、(そうした派生モデルに)ユーザーの要望があったことは事実です。(今回のモデルの量産化に向けては)今後、需要が明確になった場合、(生産)コストを検討することになります」
確かに、ジムニーの歴史を辿ると、1980年代から1990年代の第2世代のとき、排気量970cc直列4気筒エンジン搭載のジムニー「1000(型式SJ40)」で、ピックアップトラックを量産しています。ただ、「キャリイ」用の350kg荷台を流用したため、軽トラっぽさが目立ちます。
一方、東京オートサロン2019で公開されたジムニーシエラのピックアップトラックは、いわゆるSUT(スポーツ・ユティリティ・トラック)に属するモデルです。
SUVなら最近よく耳にする機会も多いはずですが、SUTという言葉自体は日本ではほとんど浸透していないと思います。
SUTはSUVと同じく発祥はアメリカで、1970年代から1980年代に、ピックアップトラックの荷台にアフターマーケット用のルーフをつけるという使い方がありました。また、商用バンを乗用でも使うという流れもあり、これらが融合して1990年代にSUVというカテゴリが生まれます。
ジープ「チェロキー」やフォード「エクスプローラー」、GMシボレー「タホ/サバーバン」などがSUVブームの立役者となり、その後は日系や欧州系ブランドでもSUVモデルが一気に拡大していきました。
こうした時代変化を、筆者(桃田健史)は米東部ノースキャロライナ州や米南部テキサス州に居住しながら肌で感じ、取材対象としてさまざまなSUVを試乗していました。
そんななか、定番SUVモデルから派生車としてSUTが生まれます。
SUVは、仕事や買い物、家族との遠出など、オールマイティにこなせることが商品価値です。対して、SUTは従来のSUVに比べて、遊び感覚やファッション感覚に振った商品イメージがあります。ピックアップトラックと比べれば当然、荷台は小さく、利便性は落ちます。
代表的なSUTは、フォード「エクスプローラー・スポーツトラック」で、若い世代から人気を集めました。
GMでは、シボレー「タホ/サバーバン」派生の「アバランチ」と、その高級モデルでキャデラック「エスカレードEXT」がありました。人気はいまいちで、テキサスの生産現場も取材しましたが、工場関係者もあまり乗り気でなかった印象があります。
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