売れないジャンルは消滅もやむなし!? メーカーが撤退した車種5選
近年、人気がある車種といえばSUVやミニバンですが、メーカーは売れる車種に注力するため、売れない車種の生産を終了してしまうケースがあります。そこで、これまでにメーカーが撤退してしまったジャンルの最終モデルを5車種ピックアップして紹介します。
長い歴史があったジャンルから撤退したケースもあり
過去に自動車メーカーが多車種化を進めたことで、数多くのクルマが登場しました。かつては1車種でセダン、クーペ、ステーションワゴン、バンなどあらゆるジャンルのモデルをラインナップしていた時期もあります。
しかし、ユーザーの嗜好の変化から、車種統合や販売終了となるクルマも多くあり、近年ではひとつのジャンルからの撤退を余儀なくされることも珍しくありません。
そこで、これまでにメーカーが撤退してしまったジャンルの最終モデルを5車種ピックアップして紹介します。
●ホンダ「パートナー」:ライトバン
1996年に発売されたライトバンのホンダ初代「パートナー」は、ステーションワゴンの「オルティア」をベースとしたために、貨物自動車では珍しい前後ダブルウィッシュボーン式サスペンションが採用されていました。
その後、初代パートナーは10年間販売され、2006年には「フィット」をベースにしたステーションワゴン「エアウェイブ」のコンポーネンツを流用し、商用車化した2代目にモデルチェンジします。
エンジンは最高出力90馬力の1.5リッター直列4気筒SOHC「i-DSI」を搭載。このエンジンは1気筒あたり2本のスパークプラグを装備し、点火時期を最適制御することで、優れた燃費と荷物の積載時でも力強くスムーズな発進と加速を可能とするトルクを実現していました。
また、トランスミッションは高速走行時の燃費と静粛性の向上のために、4速と5速がオーバードライブレシオとなるライトバンクラス初の5速ATを採用。
フィットベースのシャシによる広い室内と、防音・制振材の最適配置などにより、長時間走行でも快適で静かな走りを実現しました。
しかし、シェア拡大には至らず2010年に販売を終了。後継モデルはなく、ホンダは1965年から続いていたライトバンの生産から撤退することになりました。
●日産「ウイングロード」:ステーションワゴン
日産「サニー」は、レジャー用途にステーションワゴンの需要を見込んで、1979年にステーションワゴンの「サニーカリフォルニア」を追加ラインナップ。その実質的な後継車種として1996年に発売されたのが初代「ウイングロード」です。
2005年には3代目が登場し、1.8リッターと1.5リッターの直列4気筒DOHCエンジンを搭載したFF車と、前輪をエンジンで駆動し後輪をモーターで駆動する「e-4WD」をラインナップします。
1.8リッター車には6速マニュアルモード付きCVTが採用されるなど、スポーティなモデルも展開。しかし、マイナーチェンジで1.8リッター車を廃止し1.5リッターのFFのみとするなどグレードの整理がおこなわれ、2018年に販売を終了し、日産のステーションワゴンは消滅してしまいました。
なお、ウイングロードをベースにしたライトバンの「NV150 AD」は継続して販売されています。
●スバル「エクシーガ クロスオーバー7」:3列シート車
「7シーターパノラマツーリング」をコンセプトに、2008年に登場したスバル「エクシーガ」は、「レガシィツーリングワゴン」などで培ったワゴンづくりのノウハウを活かして、3列シートで7人がしっかり乗れる高い居住性と、開放感あふれる室内空間を実現したミニバンです。
シャシやプラットフォームを含む部品の約50%をレガシィと共有し、発売時はターボと自然吸気とも2リッター水平対向4気筒DOHCエンジンを搭載。2009年には2.5リッターエンジン搭載車も追加ラインナップされました。
SUV人気が高まっていた2015年には、本格SUVの要素を取り入れた内外装の新型クロスオーバーモデル「エクシーガ クロスオーバー7」に生まれ変わりました。
都市型SUVには十分なロードクリアランス170mmを確保した専用サスペンションと、立体駐車場への対応も考慮した全幅1800mmのサイズで、最高出力173馬力を発揮する2.5リッター水平対向4気筒DOHCエンジンを搭載。
また、外装では大型フロントグリルやルーフレール、前後バンパーや樹脂製ホイールアーチなど、SUVらしさを表現します。
しかし、2018年に販売が終了し、「ドミンゴ」にはじまったスバルの3列シート車は国内市場から消滅してしまいました。
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