なぜ日本で米軍ナンバー存在? 国内ナンバーに「A」「Y」が採用された理由

クルマのナンバープレートは、「漢字」「ひらがな」「数字」で構成されています。しかし、通常「ひらがな」が使われる部分に「A」や「Y」といったアルファベットが使われているクルマも存在します。これにはどのような意味があるのでしょうか。

アルファベットナンバーに隠された意味とは

 クルマのナンバープレートは、「漢字」「ひらがな」「数字」で構成されています。しかし「ひらがな」の部分に「A」や「Y」などのアルファベットが入っているナンバーがありますが、どのような意味があるのでしょうか。

米軍基地の近くで見かける機会の多いアルファベットナンバー
米軍基地の近くで見かける機会の多いアルファベットナンバー

 ナンバープレートに使われる漢字は、「品川」「つくば」「富士山」など「地域名」を表し、その右隣の数字は「分類番号」、左下のひらがなは「平仮名等」、そしてもっとも大きな数字4桁は「一連指定番号」として分かれています。

 平仮名等は、自家用をはじめ「わ」はレンタカー用、「り」「れ」は事業用に割り当てられ、俗に「あれは『わ』ナンバーだからレンタカーだ」と区別することができます。

 しかし、この平仮名等の部分にアルファベットが割り当てられたナンバーが存在します。沖縄や神奈川など、特定の地域でよく見られるこのナンバープレートは、なんのために使われているのでしょうか。

 クルマのナンバープレートに関する事業をおこなっている一般社団法人 全国自動車標板協議会によれば、アルファベットの付いたナンバープレートは、「駐留軍人軍属私用車両等」とされており、駐日アメリカ軍の関係者の車両についています。

 つまり、アルファベットナンバーはアメリカ軍の軍人や、それに関係する人のクルマということがわかります。実際に、アメリカ軍の基地が数多く存在する沖縄県や、「キャンプ座間」「厚木海軍飛行場」「横須賀海軍基地」などがある神奈川県では、アルファベットナンバーを多く見ることができます。

 では、アルファベットの付いたナンバーには、どのような種類があるのでしょうか。

 自動車登録規則第13条第3号によれば、「日本国籍を有しない者が所有する自家用自動車で、法令の規定により関税又は消費税が免除されているもの及び別に国土交通大臣が指定するもの」には「E・H・K・M・T・Y」のアルファベット、及び「よ」が付与されることが規定されています。

 また、全国自動車標板協議会によれば、「E・H・K・M・T・Y・よ」は乗用車、「A・B」は軽自動車に分類されています。

 このアルファベット付きナンバーは古くから存在し、少なくとも60年以上も前から使われているようです。その歴史について、全国自動車標板協議会の担当者は以下のように話しています。

「駐留軍人軍属の雌雄自動車の自動車登録番号標及び車両番号の表示には、ラテン文字(アルファベット)が、昭和33年(1958年)10月11日から使用されています」

 沖縄の日本返還が1972年5月15日なので、それ以前からアルファベット付きナンバーは発行されていたようです。

 戦後、日本に駐留する米軍は「アメリカ極東軍」が中心となっていました。しかし、1950年に発生した朝鮮戦争への対応や、1952年の日本主権回復に伴う接収してきた基地の提供への切り替え、そして1957年のアメリカ極東軍の解散と、それに伴う在日米軍の発足などが重なり、日本のクルマや道路を日本が管轄するうえで、アルファベット付きナンバーも生まれたのではないかと考えられています。

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