いいとこ取り!? 消えた幻の技術… 変わり種ミッション搭載車5選
スポーツカーでもイージードライブを可能にしたミッションとは!?
●スズキ「アルト」【AGS】
スズキ「アルト」は1979年に登場した軽自動車で、2014年に発売された8代目にあたる現行モデルに「AGS」が搭載されました。
AGSは「オート・ギア・シフト」の略で、一般的にはAMT(オートメイテッド・マニュアル・トランスミッション)とよばれるトランスミッションです。
トランスミッション自体はMTがベースで、電動油圧式アクチュエーターがクラッチとシフト操作を自動でおこなうため自動変速モードが備わっており、イージードライブが可能となっています。
また、AGSにはAMTでは珍しく「Pレンジ」があったり、クリープ機能が備わるのも特徴です。
当初、AGSはアルトの最廉価グレードと商用登録グレードのみに設定され、上級グレードにはCVTが搭載されていました。
しかし、AGSはアクセルに対してダイレクト感があり、MTのように任意のギアを選べることからスポーティなドライビングと相性が良く、後から追加された「ターボRS」や「ワークス」といったスポーツグレードでも採用されています。
なお、構造が単純でコストアップも少額なため、AMTは欧州の小型車で普及しました。
●ポルシェ「911」【スポルトマチック】
ポルシェを代表するモデルである「911」は、誕生のころから実用性の高いスポーツカーとして開発されてきました。
これまでもスポーツドライビングとイージードライブの両立に向け、さまざまなチャレンジをおこなっており、その第1弾が1964年に登場した初代911に採用された「スポルトマチック」です。
スポルトマチックとはクラッチ操作だけが自動化されたセミATと呼ばれるもので、ドライバーがシフトレバーを動かすと電気的に感知し、真空サーボを作動させてクラッチを切り、ドライバーがシフトチェンジをおこなってシフトレバーから手を離すとクラッチが繋がるという仕組みとなっています。
特徴的なのが、一般的なATのようにトルクコンバーターがエンジンとトランスミッションの間にあることで、エンジンとトランスミッションが直結していないため、ギアを抜かずに停止してもエンストすることはなく、発進もスムーズにおこなえます。
スポルトマチックの採用は1967年8月に発売された「Aシリーズ」からで、ポルシェにとってもっとも重要なマーケットであるアメリカ向けに開発したもののあまり評価されず、1968年から1969年の対米輸出のうち1割にも満たなかったといわれています。
なお、フォルクスワーゲン「タイプ1(ビートル)」などにもスポルトマチックは採用され、こちらは高く評価されました。
ポルシェはその後、第2世代の911にもスポルトマチックを採用しましたが1970年代には消滅し、次の2ペダル車は1990年に発売された「911カレラ2」まで待たなければなりませんでした。
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近年の国内市場では、MT車の販売比率は2%にも満たないといわれ、もはや絶滅危惧種です。この傾向は海外も同様で、MT車が好まれる欧州でもMTが設定されない車種が増えてきています。
とくに高性能車を中心に普及しているDCTは、あらゆる性能でMTを凌駕していますので、MT車の減少は仕方がないことかもしれません。
今後、電気自動車が普及してくると、トランスミッションそのものが絶滅危惧種になることでしょう。
いすゞのnavi5が無いぞ。
シティで少し触れてたけど、三菱コルディアは2WDと4WDにそれぞれハイとローがあって4×4の16段という訳がわからなくなるようなトランスミッションやった。あとスバルサンバーには5MTにプラスしてEL(エクストラロー)ってのがあって、リアエンジン+スーパーチャージャー+4WD+6MTという農道のポルシェと呼ぶに相応しいスペックを備えていた。
「消えた幻の技術」にスズキのAGSが入っているのはおかしい。
いすゞのNavi5が入ってないのは寂しいですね