車内の熱中症は春でも注意! SUVと軽自動車どっちが車内温度が上がりやすい?
熱中症というと夏に発生すると思われますが、天気が良ければ春先でも起こりうるのです。JAFは、SUVと軽自動車を使用して、どちらが車内温度が上昇しやすいかを検証しました。
SUVのほうが車内温度が高くなるのはなぜ?
クルマのなかで起きる熱中症というと、気温が高い夏に発生すると思われますが、じつは春でも熱中症の危険性があるといいます。
全国でロードサービスを展開するJAFは、クルマを長時間駐車したときの車内温度と暑さ指数計測を実施。
SUVと軽自動車という大きさが異なる2台の車両を使用し、快適な気候でクルマを長時間駐車した際に車内温度の上昇に違いがあるのかを検証しました。
テストを実施したのは2019年5月8日。外気温は23.3℃から24.4℃、外湿度は11%から19%でした。車両を南向きに配置し、どちらも車内温度に加え、ダッシュボードやハンドル上部の温度を計測。ダッシュボードにはスマートフォンとタブレットを置いて時間経過とともに作動状況も検証しています。
開始時の車内の気温はどちらも25℃でしたが、1時間経過後の車内の気温は、軽自動車が37.5℃に対し、SUVは43.5℃に上昇。最高で、軽自動車は39.9℃、SUVは46.5℃にまで達しました。
赤外線サーモグラフィで確認すると、SUVのダッシュボードのほうが高温になっていることが分かります。テスト開始1時間後のダッシュボードの温度は、軽自動車が41.0℃、SUVが57.3℃と、SUVのほうが高温になりました。
また、ダッシュボードの上に置いたスマートフォンとタブレットは、どちらも約30分で高温になり、一部の機能を除いて使用できない状況になりました。
SUVと軽自動車のテストでは、車内温度とダッシュボードの温度はSUVのほうが高くなりました。これは、軽自動車に比べてSUVはフロントガラスの面積が広く、さらに角度が浅いため、直射日光がダッシュボードに当たっていたこと原因だと考えられます。
さらにJAFでは、湿度の違いによって熱中症の目安となる暑さ指数(WBGT)に違いがあるのかも検証しています。
テスト開始時の車内温度は約30度。同じクルマ2台を使い、A車の車内湿度は屋外と同じ15%に設定、B車は加湿器で車内の湿度を45%まで上げて、一定時間を経過したときの熱中症の目安となる暑さ指数を比較しました。
暑さ指数とは気温、湿度、輻射熱などを総合的に判断した数値で、温度と同じ「℃」で表記されます。
測定開始後、湿度が高いB車の暑さ指数が早く上昇し、「厳重注意」となる30.9℃になりました。A車も「注意」となる22.9℃となり、同じ気温でも湿度が高いほうが熱中症になりやすいことが明らかになりました。
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車内の温度上昇を防ぐ対策として、サンシェードがあります。直射日光を防ぐことによって車内の温度上昇もある程度防ぐことができます。同様に、クルマを日陰に駐車するなど、車内に直射日光が入らないようにすることも有効です。
今回の実験からわかるように、春先から初夏の気候でも、車内の温度は高温になります。また、湿度が高いと熱中症の危険性が高まります。
「少しの時間だから」「寝ているから」といった理由で、小さい子どもを車内に残したままにするのは大変危険な行為です。
たとえ短時間であっても、子どもなどを車内に残してクルマを離れることがないよう、十分に注意することが必要だといえます。
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