ハッセルブラッドから月面着陸50周年を記念した限定モデル「907Xスペシャルエディション」登場

月面に初めて降り立ったカメラ、それが「ハッセルブラッド」だ。その偉業を記念した限定モデル「907Xスペシャルエディション」がついに発表された。

ハッセルブラッドのアポロ11号月面着陸記念モデルがついに姿を現した!

 1969年7月20日、アポロ11号が月面着陸に成功。人類が新たな一歩を踏み出した歴史的瞬間を記録したカメラメーカーが「ハッセルブラッド」だ。その歴史的瞬間から半世紀を経て、記念の限定モデル「907Xスペシャルエディション」が登場した。

ハッセルブラッド「907Xスペシャルエディション」
ハッセルブラッド「907Xスペシャルエディション」

●性能を維持しながら限りなく軽量化し宇宙へ

 1941年にスウェーデンで設立されたハッセルブラッドは、クラフトマンたちのハンドメイドにより仕上げられ、人間工学に基づいたデザイン、妥協のない画像のクオリティなど、高い性能で知られている。

 そんなハッセルブラッドの宇宙への扉が開いたのは、50年以上前、当時無名だったNASA宇宙飛行士の候補だったウォルター・シラー氏が、ヒューストンのカメラストアでハッセルブラッド500Cを購入したことがきっかけだ。彼は、宇宙へ連れていくためにボディからレザーカバーや補助シャッター、レフミラー、さらにビューファインダーを取り外し、宇宙船の窓の反射を抑えるために金属面をマットブラックに塗装し、そのカメラを携え1962年にマーキュリーロケットに搭乗している。

 それ以来、NASAの撮影部門が急速に拡大し、ハッセルブラッドでは、宇宙での使用により適するように構造やレンズの改良を行ってきた。また、NASAでは、積載量を減らすためにあらゆる余分な重量を削減していたため、性能を維持しながら可能な限りの軽量化が求められたそうだ。

 ハッセルブラッドは、それらを実現し、宇宙へ旅立っている。あの歴史的な瞬間、アポロ11号の月面着陸と探査のときに、宇宙飛行士のアームストロング氏の胸に取り付けられていたのが、シルバーの「ハッセルブラッド データ カメラ(HDC)」だ。装着していたレンズは、ツァイス・ビオゴン60mm f/5.6で、70mmフィルムマガジンが取り付けられていた。

 我々が住む惑星から、人類が初めて別の天体へと降り立った歴史的な瞬間に立ち会っているとは、ロマンを感じる。宇宙空間の猛烈な気温と無重力の環境で撮影された画像は、科学的な記録だけでなく、伝説的な出来事として、世界中の人々を驚かせた。これは、マイケル・コリンズ氏が使用したツァイス・プラナー80mm f/2.8を装着した「ハッセルブラッド エレクトリック カメラ(HEC)」だったそうだ。

 このとき宇宙に旅立ったのは、HDCとHEC2台の計3台。残念ながら、この時使用されたHDCとHECの1台は、無事に地球に帰還するための重量制限により月面に残され、コリンズ氏が使用したHECだけが地球に帰還したそうだ。ということは、1969年のあの瞬間以来、今も月面に残っていることになる。

Astronaut Buzz Aldrin on the lunar surface(c)NASA
Astronaut Buzz Aldrin on the lunar surface(c)NASA

●性能を維持しながら限りなく軽量化し宇宙へ

 1941年にスウェーデンで設立されたハッセルブラッドは、クラフトマンたちのハンドメイドにより仕上げられ、人間工学に基づいたデザイン、妥協のない画像のクオリティなど、高い性能で知られている。

 そんなハッセルブラッドの宇宙への扉が開いたのは、50年以上前、当時無名だったNASA宇宙飛行士の候補だったウォルター・シラー氏が、ヒューストンのカメラストアでハッセルブラッド500Cを購入したことがきっかけだ。彼は、宇宙へ連れていくためにボディからレザーカバーや補助シャッター、レフミラー、さらにビューファインダーを取り外し、宇宙船の窓の反射を抑えるために金属面をマットブラックに塗装し、そのカメラを携え1962年にマーキュリーロケットに搭乗している。

 それ以来、NASAの撮影部門が急速に拡大し、ハッセルブラッドでは、宇宙での使用により適するように構造やレンズの改良を行ってきた。また、NASAでは、積載量を減らすためにあらゆる余分な重量を削減していたため、性能を維持しながら可能な限りの軽量化が求められたそうだ。

 ハッセルブラッドは、それらを実現し、宇宙へ旅立っている。あの歴史的な瞬間、アポロ11号の月面着陸と探査のときに、宇宙飛行士のアームストロング氏の胸に取り付けられていたのが、シルバーの「ハッセルブラッド データ カメラ(HDC)」だ。装着していたレンズは、ツァイス・ビオゴン60mm f/5.6で、70mmフィルムマガジンが取り付けられていた。

 我々が住む惑星から、人類が初めて別の天体へと降り立った歴史的な瞬間に立ち会っているとは、ロマンを感じる。宇宙空間の猛烈な気温と無重力の環境で撮影された画像は、科学的な記録だけでなく、伝説的な出来事として、世界中の人々を驚かせた。これは、マイケル・コリンズ氏が使用したツァイス・プラナー80mm f/2.8を装着した「ハッセルブラッド エレクトリック カメラ(HEC)」だったそうだ。

 このとき宇宙に旅立ったのは、HDCとHEC2台の計3台。残念ながら、この時使用されたHDCとHECの1台は、無事に地球に帰還するための重量制限により月面に残され、コリンズ氏が使用したHECだけが地球に帰還したそうだ。ということは、1969年のあの瞬間以来、今も月面に残っていることになる。

907XカメラボディとCFV II 50Cデジタルバックの限定キット
907XカメラボディとCFV II 50Cデジタルバックの限定キット

●より軽量化された「907Xスペシャルエディション」で宇宙への想いを馳せる

 あの歴史的な月面着陸50周年を記念して発表されたのが、「907Xスペシャルエディション」だ。ちょうど50年の2019年7月20日を前に発表されたが、開発の最終段階で、さらなる改善を加えたため、発売日が延期され、ようやく今春登場する運びとなった。

 907Xは、ハッセルブラッドの中判カメラボディとして最小サイズで、重量はわずかに203g。CFV II 50Cデジタルバックと簡単に装着できるよう設計されていて、とてもコンパクトなカメラシステムになる。

 また、907XをCFV II 50Cに接続すると、すべてのXCDレンズが装着でき、さらにアダプターを介して、すべてのHC / HCD、Vシステム、およびXPanレンズを含む、さまざまなハッセルブラッドレンズでの撮影が可能になる。

 このデジタルバックの限定キットは、地球に帰還したHECを思わせるマットブラック仕上げで、デジタルバックには「On the Moon Since 1969」と記され、50年前に月に残されたHDCとHECを記念しているそうだ。

 50年前は想像できなかったかもしれないが、月への旅行も現実のものに近づいた21世紀の現代。半世紀という時を経て、今も月面に残っているであろうハッセルブラッドを、最新のハッセルブラッドで撮影するという日がくるかもしれない。

【ハッセルブラッド907Xスペシャルエディション】
●参考価格:84万5000円(税抜)
●主な特徴
・5000万画素中判センサー
・14ストップダイナミックレンジ
・16bit RAW画像とフルサイズJPEG記録
・3.0インチ92万ピクセル高解像度タッチ対応チルトスクリーン
・高フレームレート60fpsによるスムーズなライブビュー
・フォーカスピーキングによる正確なピント合わせ(特にVシステムのマニュア・ルフォーカスレンズで有効)
・スワイプとピンチ操作による直感的なユーザーインターフェース
・バッテリースロット内蔵、USB-Cポート経由で充電が可能(Xシステムと同じバッテリーを使用)
・デュアルUHS-II SDカードスロット
・内蔵WiFiとUSB-C接続
・Phocus Mobile 2によるポータブルワークフロー

●問
HASSELBLAD(ハッセルブラッド)
https://www.hasselblad.com/ja-jp/
ハッセルブラッド 直営店
住所:東京都渋谷区神宮前1-10-32 原宿DUETビル 1F
TEL:03-6434-9567
営業時間:11:00~18:00
定休日:日曜日・月曜日・祝日

【画像】ハッセルブラッドが月面で撮影した美しい写真を見る(11枚)

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