運転することがスポーツだった!? 見た目も走りもハードな車5選
FF最速の名をほしいままにしたモデルとは!?
●日産「シルビアRS」
1965年に登場した日産初代「シルビア」は高級クーペとして若者の憧れでしたが、販売台数はわずかでした。
2代目は空白期間を経て1975年に発売されましたが、排出ガス規制によって牙が抜かれたエンジンと、好き嫌いが分かれたデザインによって、販売は低迷します。
そして、1979年にモデルチェンジした3代目では、直線基調のシャープなボディラインと、角型4灯式ヘッドライトを採用した力強さあふれるフロントフェイスなどで、一気に人気が高まりました。
発売当初は2リッターと1.8リッターの直列4気筒SOHC「Z型」エンジンが搭載され、1981年のマイナーチェンジでは「ブルーバードSSSターボ」と同じ最高出力135馬力を発揮する1.8リッター4気筒SOHCターボ「Z18ET型」エンジンが搭載されます。
十分に俊足となったシルビアでしたが、さらに「スカイラインRS」と同じ2リッター4気筒DOHC16バルブ「FJ20E型」エンジンを搭載する「シルビアRS」が登場。
FJ20E型エンジンは最高出力150馬力を誇り、鋭いピックアップやメカニカルノイズが大きめのエンジン音も刺激的でした。
やや大柄で文字どおり「グランツーリスモ」だったスカイラインに対し、シルビアは引き締まった印象のスパルタンなスポーティカーとして高い人気を誇りました。
●ホンダ「シビックSi」
ホンダ初代「シビック」には、新世代のコンパクトカーとして日本のみならずアメリカでもヒットし、FF車の優位性を知らしめた存在です。
そして、1983年に発売された3代目の通称「ワンダーシビック」は、軽量な車体にパワフルな1.5リッターエンジンを搭載することで、ホットハッチへと生まれ変わりました。
しかし、ライバル車がターボやDOHCエンジンを搭載するとパワーでは見劣りしてしまい、その状況を打破するため、1984年に新開発の1.6リッター直列4気筒DOHC「ZC型」エンジンを搭載した「シビックSi」を追加しました。
ホンダの4輪車では、「S800」の生産終了から14年ぶりとなるDOHCエンジンの復活は、大いに話題となります。
トヨタの4A-GEU型エンジンは高回転までスムーズに回る優れたフィーリングながら、常用域のトルクが細いと評されましたが、ZC型エンジンはロングストロークであることから中低速域のトルクが太く「乗りやすく速い」と、高く評価されました。
とくに走りを重視する若者層からは絶大な支持を受けることになり、さらに1985年から市販車をベースにした車両で競われた「全日本ツーリングカー選手権」での活躍によって、FFスポーツカーの地位を不動のものにします。
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今回紹介した、1970年代から1980年代までのスポーティカーは、冒頭にもあるとおりパワステが標準装備されていないのが当たり前で、オプションでも無いクルマの方が多いくらいでした。
なかにはメーカーオプションでパワーステアリングが設定されているにもかかわらず、あえて装着しないという人もいたほどです。理由としては重量増となることと、ハンドルのフィーリングを気にしていたことが挙げられます。
当時はパワステよりもノンパワステの方が、ステアリングから伝わるインフォメーションがわかりやすいという意見や、実際にパワステの出来がいまほど良くなかったことも考えられます。
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