車の「ハイブリッド」実はバラバラ!? 日欧メーカー、そしてマツダが開発する「マイルド型」とは
「12V」でも「48V」でもない! マツダが「24V」を選んだワケ
プリウスは最大650Vもの高い電圧を利用していますが、マイルドハイブリッドではどれくらいの電圧がかかっているのでしょうか。
マイルドハイブリッドだからといって電圧が定められているわけではありませんが、基本的にマイルドハイブリッドはシステムの簡素化が大命題で、そのため発電機兼モーターは通常の乗用車用のオルタネータ(発電機)を多機能化したものを使用しています。
つまり、通常のオルタネータで発生した車両用電源で用いられる12Vをそのまま使用しているケースがほとんどです。
電装品も電装用バッテリーも走行用バッテリーもモーターもすべて12Vなので電圧を昇降させる必要がなく、余計な部品(コンバータ)を増やすことなくシステムを完結できるのです。
一方で、欧州では2011年にフォルクスワーゲン、ポルシェ、アウディ、ダイムラー、BMWにより車両用電源を48Vとする規格「LV148」が策定され、その48Vで運用する「48Vマイルドハイブリッド」が導入されはじめています。
48V化のメリットは、12Vに比べモーターの出力を高められることや、高電圧化により送電損失を低減できること、そして人体にとって危険とされる60Vよりも低い電圧のため、ストロングハイブリッドほどの安全対策を必要としないことです。
マイルドハイブリッドとして12Vと48Vの2種類が登場し注目されてきたなかで、2018年のロサンゼルス・モーターショーでマツダが発表したのが「Mハイブリッド」と呼ばれる24Vのマイルドハイブリッドです。
日本で一般的な12Vでもなく、欧州で普及しはじめている48Vでもないのは、マツダには減速エネルギー回生システム「i-ELOOP」用に開発された12Vから25Vまでの可変電圧式回生オルタネータと12Vに降圧するコンバータがあったからで、新たに48Vシステムを開発するのに比べ低コストで、かつ12Vより強力かつ低燃費なハイブリッドシステムを実現する土壌があったからといわれています。
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ストロングハイブリッドに比べシステムが小さくて軽いマイルドハイブリッドは、スペースやパワーに余裕のない小型車にも適したシステムです。
なかでもコンバータを必要としない12Vシステムは、低コストでハイブリッド化できるため、主に軽自動車やコンパクトカーで採用されています。
一方で、48Vシステムはストロングハイブリッドよりは安価なもののそれなりにコストがかかるため、現在は高額なクルマを中心に搭載されています。
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