もう二度と出てこない!? 至高のハイパワー車3選
近年、エンジンの性能が飛躍的に向上しましたが、逆に高回転型のエンジンは少なくなりました。しかし、かつては自然吸気にもターボにも、高回転をウリにしたエンジンが存在しました。そこで、いまでは見られないほどの高回転型エンジンを搭載したモデルを3車種ピックアップして紹介します。
レッドゾーン9000rpmが当たり前のクルマたち
欧州車から広がりをみせたダウンサイジングターボエンジンや、直噴ターボエンジンは、動力性能を飛躍的に向上させました。
一方で、かつての自然吸気やターボエンジンにあった、高回転型エンジンはほとんど見られなくなっています。
そこで、過去に存在していた超高回転型エンジンを搭載したモデルを3車種ピックアップして紹介します。
●ホンダ「S2000」
国産メーカーで初めてF1に参戦したホンダは、レースで培った技術を市販車にフィードバックすることで、高回転かつ高出力なエンジンを多数生み出してきました。
そんなホンダが誇る数々の高性能自然吸気エンジンの集大成ともいえるのが、1999年に発売されたオープンFRスポーツ「S2000」に搭載された「F20C型」です。
ホンダとしては「S800」以来となる29年ぶりのFR車で、すべてが新規で開発されるなど、ホンダの創立50周年を祝うメモリアルカーという位置付けのモデルでもありました。
搭載された2リッター直列4気筒エンジンは自然吸気でありながら最高出力250馬力を8300rpmで発揮し、レブリミットは9000rpmと、市販車のエンジンとしては驚異的な高回転、高出力を実現。
2005年におこなわれたマイナーチェンジで2.2リッターに排気量がアップされ、従来ほどの高回転型エンジンではなくなりましたが、それでも十分パワフルかつ扱いやすくなったため、国内外のファンから愛されました。
S2000は2009年に生産を終えましたが、2020年2月にS2000誕生20周年を記念して、ホンダアクセスから「20年目のマイナーチェンジ」をコンセプトとしたエアロパーツやスポーツサスペンションが発売されて、話題となっています。
●マツダ「RX-8」
2002年にマツダは、1978年から続いた「RX-7」シリーズの生産を終了し、ロータリーエンジンの系譜が途絶えてしまいましたが、翌2003年に新しいコンセプトのロータリースポーツ「RX-8」を発売しました。
搭載されたエンジンは1.3リッター2ローターの「13B型」で、2種類のチューニングタイプを設定。高出力版は最高出力250馬力を8500rpmで発揮し、レブリミットは9000rpmという高回転型です。
ロータリーエンジン独特の甲高いエキゾーストノートとともに、どこまでも回転が上昇し続けていくようなフィーリングが、新世代のロータリーエンジンとして人気となります。
また、エンジンだけでなく、車体の重量配分を50対50とし、サスペンションはフロントをダブルウイッシュボーン、リアをマルチリンクとするなど、4ドア4シーターでありながら高い旋回性能を誇る本格的なスポーツカーに仕上がっていました。
さらにRX-8は改良が続けられ、2011年には「スピリットR」と名付けられた限定車が登場しましたが、2012年に生産を終了。再びロータリーエンジンの系譜は、途絶えることとなりました。
なお、マツダは近い将来、EVに搭載するレンジエクステンダー用エンジンとして、ロータリーエンジンを復活させる計画があると発表しています。