なぜSUVブーム前からトヨタ「ハリアー」は独自路線で大成功? 22年で築きあげた存在感
他社のミドルサイズSUVとの個性の違いとは?
ハリアーの属するミドルサイズSUVには、前出のRAV4のほかに、ホンダのCR-Vや日産「エクストレイル」、スバル「フォレスター」、マツダ「CX-5」などがあります。
日本自動車販売協会連合会が発表した2019年の年間販売台数を見ると、この5台のなかではRAV4が5万3965台ともっとも販売台数が多く、次いでエクストレイル(3万6505台)、ハリアー(3万6249台)、フォレスター(3万2384台)、CX-5(3万1538台)、そしてCR-V(1万3041台)という結果となっています。
各モデルには、それぞれどのような個性があるのでしょうか。
RAV4は、内外装のデザインや搭載される機構がクロカン四駆なテイストとなっており、都会派なハリアーとは反対ともいえる性格が特徴です。
また海外市場も考慮されたことから、全幅は1855mmから1865mm(グレードで異なる)と、今回紹介する車種のなかでもっとも広くとられています。
エンジンは、2リッターガソリンと2.5リッターハイブリッドの設定があり、採用される4WDシステムには、ガソリン車とハイブリッド車それぞれに独自のシステムが採用されています(2WD仕様もあり)。
ガソリン車の一部グレードには、走行状況に応じて前後トルク配分に加え、後輪トルクを左右独立で制御する機構と4WD走行が不要と判断した場合には、後輪への動力を遮断して燃費向上を図る新開発の「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を世界初採用しました。
エクストレイルは、RAV4と比べるとクロカン四駆感が薄い外観ではあるものの、内装のシートやフロアなども防水仕様となっており(グレード別設定)、とくにアウトドアレジャーが重視された点がポイントです。
エンジンは2リッターガソリンと2リッターハイブリッドが設定され、2WDとあわせて設定される4WDシステムは電子制御4WDシステム「インテリジェント4×4」が採用されました。
フォレスターは、今回紹介する車種のなかでは唯一、重心が低い水平対抗エンジンを採用。また常時全輪駆動タイプの4WDシステムを採用していることで、舗装路・未舗装路いずれの道でも高い走行性能を発揮します。
フォレスターのエンジンは2.5リッターガソリンと2リッターハイブリッド(e-BOXER)のふたつで、スバル独自の「シンメトリカルAWD」に車両統合制御技術「X-MODE」が組み合わされます。2WD仕様はありません。
CX-5は、マツダが展開するデザインコンセプト「魂動デザイン」に則ったダイナミックな外観が特徴です。また、今回紹介するSUVのなかで唯一ディーゼルエンジン搭載モデルをラインナップします。
エンジンは2リッターガソリン、2.5リッターガソリン、2.5リッターガソリンターボ、そして2.2リッターディーゼルターボの4種類です。2リッターガソリンは2WD仕様のみ、ほかのエンジンは2WD/4WDの選択が可能です。
CR-Vは、RAV4と同じくアメリカ市場での販売を考慮したボディサイズとなっており、全幅は1855mmとRAV4に迫るサイズ感となっています。外装にはメッキが多用されているほか、内装も上質な仕立てで、都会派SUV寄りの性格といえます。
エンジンは1.5リッターガソリンターボと2リッターハイブリッドの2種類で、いずれも2WD/4WDの選択ができます。
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今回紹介したなかでもっとも新しいモデルはRAV4で、2019年のミドルサイズSUVでもっとも販売台数が多かったのも同車種となります。
しかし、ハリアーが全面刷新した場合は再び上位へに返り咲くことも十分に考えられ、ミドルサイズSUVの市場がどのように推移するのか注目されます。
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