なぜSUVブーム前からトヨタ「ハリアー」は独自路線で大成功? 22年で築きあげた存在感

2013年に発売したトヨタの現行型「ハリアー」は、モデル末期となる2019年も堅調な売れ行きでした。続々と新型SUVが登場するなかで、ハリアーが売れ続ける理由とはなんなのでしょうか。

SUVブームの前から存在 当時から強い個性を持つハリアー

 近年はSUVブームが巻き起こっていますが、そのなかでモデル末期に近いにも関わらず安定した人気を誇るミドルサイズSUVとしてトヨタ「ハリアー」が存在します。

 初代ハリアーは、現在のSUVブームが本格化する前の1997年に発売されたモデルですが、当時はどういった立ち位置だったのでしょうか。そして、20年以上かけて築き上げた独自の個性とは、どういったものなのでしょうか。

2013年に現行モデルが発売されたトヨタ「ハリアー」
2013年に現行モデルが発売されたトヨタ「ハリアー」

 ハリアーは、初代モデルが1997年12月に発売されたSUVです。このとき、本格クロカン四駆とは異なり舗装路の走行性能を重視したSUVとして、トヨタからは「RAV4」(1994年発売)、ホンダからは「CR-V」(1995年発売)などがありました。

 ハリアーが異なっていたのは、それまでのSUVが「クロカン四駆風」なアウトドアテイストのデザインで登場していたのに対して、都会派かつ高級感のあるデザインを採用していたことです。

 実際に、ハリアーは海外市場では高級ブランドのレクサスから「RX」として発売。洗練された高級SUVとしてたちまち人気モデルとなります。

 その後登場した2代目では、2003年の発売後、2005年にハイブリッドモデルが発売されます。これは、同時発売となったトヨタ「クルーガーハイブリッド」と並んで国産SUVとしては初のハイブリッドモデルとなりました。

 2代目ハリアーのハイブリッド仕様について、発売当時のトヨタは「ハリアーハイブリッドは、ハイブリッド車やSUVの走りのイメージを一新するパワフルな加速性能をはじめとした、『エコとパワー』を高次元で両立している点が好評です。とくに40歳以上の男性の支持を得ています」と説明しています。

 このことからも、都会派かつ高級感が高いというハリアーの個性は、ハイブリッドが追加された2代目モデルでより強固なものになったといえます。

 また、ハリアーが持つ独自の性格や車種の認知度が高まったことで、3代目以降は海外仕様の「RX」と日本仕様の「ハリアー」が別モデルとして開発がおこなわれることとなりました。

 レクサスは2005年に日本市場へ上陸していましたが、2009年に3代目RX(日本市場では初代モデル)を発売した後、2013年に別モデルとして3代目ハリアーが登場。日本市場向けモデルとして歩みを進めることとなりました。

 3代目ハリアーは2リッターガソリンと2リッターガソリンターボ、そして2.5リッターハイブリッドの3仕様がラインナップされています。ハイブリッド車は4WD仕様のみで、ガソリン車は4WD以外に2WDも選択可能です。

 販売現場に声を聞くと、ハリアーはユーザーからほかのSUVとは違った捉えられ方をしているといいます。トヨタの販売店スタッフは次のようにコメントします。

「ハリアーを検討されるお客さまのなかには、単純に新しい物を好まれるというよりも、質感にこだわる人が多いように思えます。

 過去に、『クラウン』(トヨタの高級セダン)からハリアーに乗り換えられたお客さまは、ミニバンが必要になるほど人や荷物を載せず、コンパクトカーよりは楽な移動ができて、それなりに歳に合ったクルマとして選ばれたようです」

 また2020年2月現在、トヨタのミドルサイズSUVラインナップではRAV4と車格が近いですが、ハリアーとRAV4もまた違った個性を持つようです。

 別のトヨタの販売店スタッフは「両車をあえて比較するのであれば、ハリアーは『上品なお坊ちゃん』、RAV4は『遊び心あるやんちゃな子』という感じでしょうか」と説明します。

 ただし、現行型(3代目)ハリアーは登場が2013年と古く、トヨタの販売店スタッフは「改良しているとはいえ2013年のモデル(ハリアー)と、2019年に登場した最新モデル(RAV4)では、そもそもクルマ自体のベースが違いますので、あまり比較対象とされているお客さまはいないと思われます」といいます。

 4代目となる新型ハリアーは2020年に登場することが噂されており、ハリアーからハリアーへの乗り換え需要が高まることも予想されます。

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