ホンダ「フィット」とトヨタ「ヤリス」の違いは? 同時期に登場でもライバルと言えないワケ
国内のコンパクトカー市場をけん引してきたホンダ「フィット」とトヨタ「ヤリス(旧ヴィッツ)」。同時期に新型モデルへとフルモデルチェンジを果たした両モデルですが、どのような違いがあるのでしょうか。
もうライバルでは無い!? 「フィットとヤリス」の不思議な関係
ホンダ「フィット」とトヨタ「ヤリス」は、どちらもBセグメントに位置するコンパクトハッチバックであると共に各々の重要な基幹モデルになります。奇しくも同タイミングで世代交代したこともあり、「実際の所はどちらがお勧めなの?」と気になる人も多いはず。そこで2台の個性を紐解きながら比較をしてみました。
まず、両モデルを簡単に振り返ってみたいと思います。2001年に登場したフィットは「小さいのに広い」、「燃費はいいのに良く走る」と日本のコンパクトカーの概念を大きく変える一台でした。
2007年に2代目、2013年に3代目に進化しホンダの屋台骨を支えるグローバルモデルへと成長を遂げますが、3代目の度重なるリコールなども相まって、以前のような神通力が薄れていたのも事実です。
そこで新型となる4代目は、歴代モデルの良さを継承しながらも、新時代のコンパクトカーのスタンダードを目指して開発。居住性/燃費など「数値」で表せる部分は良くて当たり前、さらにに人間の五感に響くような「プラスα」を数多く盛り込んでいます。
一方、ヤリスは1999年に「スターレット」に代わるトヨタの新たなコンパクトモデルとして登場した「ヴィッツ」に遡ります。
ちなみにヴィッツは日本向けのみの車名で、海外向けはヤリスを名乗っていました。初代は世界のコンパクトカーに大きな影響を与えましたが、2005年に2代目、2010年に3代目と世代を重ねるごとに“普通”のクルマになってしまったのも否めません。
そこで10年ぶりのフルモデルチェンジとなった4代目はパワートレイン/プラットフォームを全面刷新。それに伴って車名も海外名と同じ「ヤリス」へと変更されました。その理由を開発者に聞くと、ズバリ「初代の志を再び」と語っています。
まずエクステリアを数値で見比べてみると、フィットは全長3995×全幅1695mm×全高1515mm、ヤリスは全長3940mm×全幅1695mm×全高1500mmとそれほど差はありませんが、パッと見た印象はフィットのほうが一回り大きく見えます。
とりあえず、デザイン的な好みは置いておいて「ファミリーユース」のフィットと「パーソナルユース」のヤリスと、基本コンセプトがそのままデザインに表れているといってもいいと思います。
インテリアも同様の印象です。フィットはセンタータンクレイアウトによる居住性の良さに加えて、視界性能を高める細いAピラーや突起を無くした先進性の高いインパネの採用などにより、視覚的な広さも演出。アップライトに座らせるドライビングポジションはある意味ミニバン的といって良いでしょう。
ヤリスも十分な視界性能を確保していますが、どちらかといえばコクピット感覚が強めで解放感よりも包まれ感を演出。低めのヒップポイントと足を前に出すシートポジションと乗用車感覚は先代よりも強まっています。
ちなみにフロントシート周りの空間はほぼ同等ですが、リアシート/ラゲッジはサイズを感じさせないスペースを持つフィット、必要十分なスペースのヤリスと大きく異なります。
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