新型コロナウイルスに効果ある? 車内用イオン発生器は有効か

世界的に猛威を振るう新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。一部では、シャープ「プラズマクラスター」やパナソニック「ナノイー」といったイオン発生器の使用が「有効な対策方法ではないか」といわれています。では、イオン発生器は新型コロナウイルスに有効なのでしょうか。

車内の新型コロナ対策で有効なのは…?

 巷では新型コロナウイルスの感染拡大が危惧されており、外出を控えることが感染予防の手段のひとつとわれています。しかし、やむをえずクルマで外出しなければならないという人にとっては、車内でどのような予防対策をすればいいのかというのが悩ましいところです。有効な対策方法は、あるのでしょうか。

車載用のプラズマクラスター発生器は、さまざまなタイプが販売されている
車載用のプラズマクラスター発生器は、さまざまなタイプが販売されている

 近年、販売されているクルマには、カーエアコンにシャープ「プラズマクラスター」やパナソニック「ナノイー」といったイオン発生器が搭載されているモデルが存在します。

 こうしたイオン発生器ですが、メディア広告などでは菌やウイルスの抑制に効果があると謳っています。果たして、クルマに搭載されるイオン発生器は、新型コロナウイルスの抑制に効果があるのでしょうか。

 両メーカーは商品のホームページに、民間の医療系研究所との試験で、あるウイルスの抑制に一定に効果があったと掲載しています。

 とくにシャープは、2004年に社団法人北里研究所との共同研究で検証した内容を詳細に公開。これによれば、一定の実験条件のなかで浮遊性SARSウイルスやネココロナウイルスを不活化、つまりウイルスを破壊し感染力を抑える効果があることを実証したと公表しました。

 新型コロナウイルスの実態は未だ掴めていないといわれていますが、エンベロープウイルスというタイプに分別されています。

 これは前述のSARSウイルスやネココロナウイルスと同じタイプであり、それゆえにプラズマクラスターはコロナウイルス抑制に効果を発揮するのではないかと、期待を寄せるユーザーが多くいるようです。

 代表的な例としては、公共交通機関が挙げられます。空港リムジンバスや大阪メトロは、今回の新型コロナウイルスへの対策の一環として、プラスマクラスター搭載車の運行を実施しており、その意図について、バスを運行する東京空港交通の広報担当に聞いてみました。

「弊社は数年前からプラスマクラスターを搭載したバスを運行していますが、元々はトイレの臭い対策に導入いたしました。

 それが一定の効果があるということが分かりましたので、客室にも導入しています。今回の発表の文言に多少の語弊はあったと思いますが、プラズマクラスターのウイルス抑制効果をアピールする狙いではなく、あくまでも車内の空気清浄化を目的にするという点で、プラズマクラスター付き車両を対策の一環として発表した次第です」

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 では、製造メーカーとしてはどのように考えているのでしょうか。シャープの広報担当者は次のように語っています。

「当社で発表している浮遊性ウイルスの不活化の実証についてですが、あくまで試験用の環境でおこなわれた結果であり、同じ効果が市販品によって得られるという発表ではありません。

 とくに新型コロナウイルスの不活化については、当社でまだ検証しておらず、何とも申し上げることができません。また、車載用モデルやカーエアコンについた発生器ですが、元々は消臭や車内の空気清浄を目的に造られており、ウイルスの不活化に効果があるとは謳っておりません」

 パナソニック・オートモーティブの広報担当者から返答も同様の内容で、「ナノイー自体は菌やウイルスの不活化を目指していますが、すべてのウイルスや細菌での効果を実証したわけではないので、有効であるとお答えすることはできません。また車載発生器は、家庭用よりもイオン濃度が低いため、細菌やウイルスの不活化に効果があるといい切ることはできません」といいます。

 こうしたメーカーの答えには、ある理由があります。ホームページやカタログなどでイオン自体のウイルスの不活化効果を匂わせてはいても、薬機法(旧薬事法)の関係で製品に「効果がある」とはいえないのが実情なのです。

 ちなみに車内というのは、家よりも気密性が低く、エアコンを車内循環モードにしたところで、完全に外気の流入を防ぐことはできず、車内のイオン濃度を一定に保つのが難しいといいます。

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