渋滞の8割は自然に発生する!? 渋滞予報士が解説する渋滞回避術とは?
高速道路を運営・管理するNEXCO東日本には、高速道路での渋滞に関するスペシャリスト「渋滞予報士」がいます。渋滞予報士に、渋滞の発生のメカニズムや対策について聞いてみました。
なぜ渋滞は発生する? 渋滞のメカニズムについて聞いてみた
高速道路の渋滞は、大型連休や通常時の週末だけでなく、平日でも朝・夕の通勤ラッシュ時にも発生します。
渋滞はどのようなことが原因となり、発生するのでしょうか。NEXCO東日本・関東支社の渋滞予報士である小宮奈保子氏に、渋滞が発生するメカニズムについて聞いてみました。
「交通渋滞の要因は、交通事故や工事などもありますが、約8割は交通が集中することによる、いわゆる自然渋滞なのです。さらにこの自然渋滞の70%程度は、上り坂や『サグ』と呼ばれるポイントで発生しています」
サグとは、英語で「たるみ」や「たわみ」という意味で、下り坂から上り坂に差しかかる場所のことを差します。
「渋滞の先頭となりやすいサグでは、下り坂から上り坂に切り替わったことに気づきにくく、無意識のうちに速度が低下してしまう傾向があります。
速度が低下するので後続車は車間距離を保つためにブレーキを踏んでしまうのです。これが続々と後続車へ連鎖していくことで、渋滞が発生すると考えられています」(小宮氏)
ほかにもインターチェンジ(IC)やジャンクション(JCT)の分合流部やトンネルなどでも渋滞が発生しやすく、こちらも同様に先頭車両の速度低下による後続車のブレーキの連鎖が原因といわれています。
とくに高速道路では、周囲の変化に気づかずにスピードが落ちてしまうことがあり、安全運転のつもりが逆に渋滞の原因になっているのです。
自然渋滞のメカニズムは、些細な速度低下が積み重なって起こるものということですが、渋滞を上手に回避する方法はあるのでしょうか。
「出かける前に渋滞予測をチェックして欲しいです。NEXCO東日本では、ウェブサイト『ドラぷら』やスマホ用アプリ『ドラぷらアプリ』で、毎日渋滞予測を公開しています。
渋滞予測の出ている日程をずらせないとしても、ピークとなる時間帯を避けるだけでも、渋滞緩和や回避に十分効果があると思います」(小宮氏)
NEXCO東日本が提唱する渋滞を予防する運転として、下記のようなポイントがあります。
●無意識な速度低下に注意すること
わずかな速度低下でも、渋滞の原因になります。
●安全な車間距離を保つこと
車間距離がクッションの役割を果たし、後続車へブレーキが伝わるのを防ぐことができます。
●むやみな車線変更を控える
むやみな車線変更は後続車にブレーキを踏ませる要因となり、渋滞の発生や悪化につながることがあります。
●キープレフト
渋滞の多くは、追い越し車線から発生するといわれています。無理な追い越しをせずに、走行車線をスムーズに走るほうが渋滞なりにくいようです。
●すみやかな速度回復を心がける
渋滞の終わりが近づいてきたら、速度を回復させる準備をすることが大切です。渋滞を長引かせないために、ドライバーひとりひとりの意識が大切です。
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