カギを差してエンジンをかける車が激減! プッシュスタート式が主流になった理由とは
便利な一方、電池切れや新たな車両盗難手口が心配…
便利なスマートキー&プッシュ式にもデメリットがあります。まず考えられるデメリットは、「スマートキーの電池切れ」です。
スマートキーが作動するには電源が必要で、電池の寿命は1年から2年程度といわれています。電池切れになる前に交換すれば問題ありませんが、気づかないうちに電池が切れてドアの開錠ができなくなることもあります。
万が一電池が切れたときは、どう対処すればよいのでしょうか。

たいていの場合、スマートキー本体のなかに「メカニカルキー」と呼ばれるカギが内蔵されています。スマートキー採用車にもドアノブ付近にカギ穴があるので、ここにメカニカルキーを差し込んで回すとドアを開錠できます。
エンジン始動に関しては、スマートキー本体をスタートボタンに接触させることでエンジンがかかる車種もあります。電池切れ時のエンジンスタートに関しては車種ごとに違いますが、取扱説明書で確認することができます。
電池残量が減ると、ドアロックの反応が悪くなったり、メーター内に警告が表示されます。車検や点検などで販売店やディーラーを訪れたついでに電池交換を頼むこともできますが、電池はコンビニやホームセンターなどで購入できますし、特別な工具がなくても交換できるので自分でやっても良いでしょう。
もうひとつのデメリットとして挙げられるのは、スマートキーの機能を応用した車両盗難「リレーアタック」という手口が増えていることです。
スマートキーからは、暗号化された微弱な電波が常に発信されています。スマートキーとクルマ双方に電波を感知する送受信機があり、通常はこの電波を認識することでエンジンがかかるシステムです。
この方式を逆手に取った盗難手口が、リレーアタックです。特殊な受信機でスマートキーの電波を拾いつつ、受信機自体を中継地点としてクルマに電波を発信することで、あたかもスマートキーがそばにあるかのように認識させて車上狙いやクルマ自体を盗むといった手口が横行しています。
もっとも手軽で有効な防犯対策といわれているのが、電波を遮断できるケースにスマートキーを格納することです。遮断機能を持たせた「スマートキーケース」や「遮断ポーチ」などが販売されています。
また車種によっては、スマートキー自体に「節電モード」と呼ばれる機能を搭載している場合もあります。
これは特定の操作をすることで施錠しつつ、スマートキーの微弱電波をオフにする機能で、いずれかのボタンを押せばモード解除できる優れものです。
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スマートキーは、所持しているだけでドアロックの施錠・開錠だけでなくプッシュ式エンジンスターターで手軽にエンジンスタートできる便利な機能です。
しかし、電池切れやリレーアタックなど、新たなリスクも気をつけなければいけません。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

































