「車のエンジン、何を点検すればいいかわからない…」見るべき5つのポイントとは

ぎっしりと機器が詰まったクルマのエンジンルーム。漫然と見ているだけではどこを点検すればいいのか分かりにくいのですが、基本的には5つの項目をチェックすることで、故障や運転中のトラブルを減らすことが可能です。ドライバーの義務として定められた「日常点検」をおこなう際に、エンジンルームで見るべきポイントを説明します。

約4割のドライバーが日常点検をおこなっていない

 最近のクルマは故障も少なく、しかも、エンジンルームはエンジンと補機類がぎっしりと詰まっていることから、ボンネットを開けて点検をしようとしても、まずどこから見ればよいのかわかりづらいかもしれません。

 そんなこともあってか、約4割のドライバーが「日常点検」をまったくおこなっていないと、国土交通省・自動車点検整備推進協議会による「平成29年度自動車点検整備推進運動調査報告書」で報告されています。日常点検において、エンジンルームで見るべき場所とは、いったいどのような場所なのでしょうか。

エンジンルームの点検で見るべき場所とは?
エンジンルームの点検で見るべき場所とは?

 ベテランドライバーにとって、日常点検は「運転前点検」といったほうがしっくりくるかもしれません。この言葉どおり、以前は運転前にクルマの点検を実施することが義務づけられていました。

 しかし、技術の進化、ユーザーの利用状況の多様化などによって、1995年7月の道路運送車両法改正時に変更され、運転前におこなわなくても、ユーザーが走行距離や運行状態などから判断し、適切な時期におこなえばいいという、「日常点検」になりました。

 そのためか、前出した報告書のインターネット調査結果によると、実際に点検をおこなっているという人でも、「よくする」人はわずか6.6%。

「時々する」「まれにする」が約半数の55.5%と、定期的に点検をおこなっているというドライバーは非常に少ないという現状がうかがえます。

 しかし緩和されたとはいえ、マイカーユーザーによる「日常点検」が、ドライバーの義務である点は変わっていません。点検のタイミングで推奨されているのは月に1回程度で、エンジンルームのチェックポイントもわずか5項目です。

※ ※ ※

「エンジンルームの点検」の項目は次のとおりです。確認方法とあわせて紹介します。

●エンジンルームの点検

・ウインドウウォッシャー液の量

 エンジンルームを見わたして、キャップ部分にウォッシャー液噴出マーク(扇型に噴水のようなマーク)が表示されているのが目印です。ウインドウウォッシャータンク内の液量を確認し、減っている場合は専用のウォッシャー液を補充します。

・ブレーキオイルの量や色

 ブレーキ液のリザーバ・タンクは、運転席で見るサイドブレーキの警告ランプと似たブレーキマークのシールが貼られていることが多い、白いタンクです。なかにある液の色と量を確認します。

 上限と下限ラインの間に液量があるか点検し、極端に減っているようなら液漏れのおそれがあるので、整備士に相談しましょう。色は本来のレモン色が茶色く濁っていたら交換の時期です。

・バッテリー液の量

 バッテリーケースがどれかわからない場合は、取り扱い説明書などで確認してください。

 点検時は、側面に表示されている上限と下限ラインの間に液があるか確認します。不足していたらバッテリー液を補充しますが、非常に腐食性の強い液でもあるので、取り扱いには気を付けてください。

 最近は密閉型のメンテナンスフリーバッテリーも増えてます。これは中身が見えませんが、寿命があることは変わらないので、交換時期に注意が必要です。

 なお、エンジンルームにバッテリーケースがないクルマもあります。

・冷却水の量

 ラジエーターにパイプが接続されているリザーバ・タンク内の冷却水の量を確認します。側面に表示されている上限と下限ラインの間ならOK。不足している場合は、上限まで専用の冷却水を補充します。

・エンジンオイルの量や色

 エンジンに付いているオイルレベルゲージを引き抜き、先端に付着したオイルを拭き取り、元に戻して再度引き抜き、色と量を確認します。下限ラインに足りない場合は補充をして、汚れている場合はオイルを交換します。

※ ※ ※

 日本自動車連盟(JAF)によると、日常点検のタイミングの目安は1か月に1回程度ということです。なお、点検はエンジンルーム内の温度が十分に下がってる状態でおこないます。

 以上が、日常点検においてエンジンルームで見るべき5項目です。

 日常点検はこれに加え、タイヤやライトなどを確認する「クルマのまわりを回って見る点検」と、ブレーキペダルの踏みしろやエンジンのかかり具合などを確認する「運転席での点検」があります。

●クルマのまわりを回って見る点検

・タイヤの空気圧

・タイヤの亀裂、損傷、異状な摩耗の有無

・タイヤの溝の深さ

・ランプ類の点灯、点滅およびレンズの汚れ、損傷

●運転席での点検

・ブレーキの踏みしろおよびブレーキの効き

・パーキングブレーキの引きしろ(踏みしろ)

・ウインドウウォッシャーの噴射状態

・ワイパーの拭き取りの状態

・エンジンのかかり具合および異音

・エンジンの低速および加速の状態

【画像】エンジンだけ見てもダメ!? 点検時に見るべき場所とは(10枚)

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