なぜキャンピングカーは多様化する? 車中泊からビジネスまで対応するニーズの変化とは
近年、キャンピングカー市場が盛り上がっています。アウトドアや車中泊といったブームが背景にありますが、今後のはモビリティサービスとしても重要な役割を見せていきそうです。キャンピングカーには、どのような未来があるのでしょうか。
キャンピングカーブームから車中泊ブームへ
街中のコインパーキングで、車中泊ができるようになる日も近いかもしれません。
2020年1月27日、キャンピングカーのイベントや普及活動を行う日本RV協会は、駐車場を運営するタイムズ24と業務提携することを発表しました。キャンピングカーが安心して駐車できる拠点を拡大していくとしています。
団塊世代を中心に拡がったキャンピングカーブームは、より手軽な車中泊ブームへと拡がりを見せています。一方で、車中泊を前提としない駐車施設でのマナーが問題となるなどの課題も見えてきました。
キャンピングカーというと、キッチンやトイレを装備した大きなサイズのクルマで、山奥のキャンプ場へ行くというような、アウトドアレジャーのイメージがあります。
しかし近年では、普段使いや出掛け先の車中泊もできるような、比較的に小型なクルマが人気を集めています。
軽自動車ベースの「軽キャンパー」やミニバンをベースにした小型のキャンピングカー、また普通のSUVやミニバンの見かけで、車内を車中泊ができるように改装したクルマなどが人気です。
日本RV協会によると、日本国内のキャンピングカー保有台数は、2005年には約5万台でしたが、2018年には約11万2500台と大幅に増加しています。
キャンピングカーブームが拡がるにつれて、ライトユーザーを中心に、普段も使えて車中泊もできる使い勝手のよいクルマの人気が高まっているといいます。
2017年に日本RV協会が実施したアンケートによると、キャンピングカーを購入した理由は「出発時間や目的地を気楽に決められる」が81%、「立ち寄りの温泉や観光地めぐりが楽になった」が51.3%と、手軽な移動や宿泊手段としてのメリットを強く感じていることがわかりました。
一方で「キャンプ場などに行って自然と接する機会が増えた」は12.4%にとどまり、キャンピングカー本来の機能はそれほど求められてはいないようです。
実際に、キャンピングカーの使い方も、郊外のキャンプ場へ行くだけではなく、温泉地めぐりやペットとの旅行、スポーツ観戦など、アウトドアレジャーにこだわらない多様な使い方が見られるようになっています。
また近年ではレンタカーやシェアリングなど、キャンピングカーをより手軽に利用できるサービスも相次いで登場しています。
2019年に日本で開催されたラグビーワールドカップでは、各地でおこなわれた試合の応援行脚に、インバウンド事業者がキャンピングカーのレンタルサービスを使ったケースが目立ちました。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは、マラソン競技の実施が急遽決まった札幌市をはじめ、開催地の宿泊施設不足が課題となっており、キャンピングカーの手軽な宿泊性能が注目されています。
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