なぜキャンピングカーは多様化する? 車中泊からビジネスまで対応するニーズの変化とは
駐車インフラに課題も
手軽に宿泊できる移動スペースとして注目されるキャンピングカーですが、一方で、車中泊ができる駐車インフラの整備が追いついておらず、課題もあるようです。
国交省のホームページによれば、道の駅は休憩施設のため仮眠はOKですが、宿泊目的の駐車はNGとしています。
このような宿泊を前提としていない駐車場などでの長期滞在、ゴミの持ち込みや騒音などのほか、施設内でバーベキューをしたり、洗面所での炊事洗濯をするなど、一部ユーザーのマナー違反も問題となっています。
日本RV協会では、安全に安心して車中泊できる有料駐車場サービス「RVパーク」の設置・認定を進めています。電源や水道、トイレがあり、ゴミや排水処理が可能なほか、近隣には入浴施設があります。
京都や熊本では都市部での展開も試みられており、京都市右京区の「RVパーク京都中央」は、京都駅までクルマで約15分の立地で、観光の拠点として活用されることが期待できます。
RVパークは現在約150箇所が稼働しており、ここ3年で倍増したといいます。日本RV協会は、閑散期のスキー場や有休地などを積極活用するなどし、RVパークを国内1000箇所設置しする計画です。
また車中泊ができる駐車場のマッチングサービスも相次いでスタートしています。
駐車場運営をおこなうタイムズ24は、予約駐車場サービス「B」でキャンピングカー向けの駐車場マッチングサービスを開始。日本RV協会と連携し、キャンピングカーの受け入れ先を拡大していくとしています。
また、同じく車中泊可能な駐車場マッチングサービスを運営するカーステイは、三井住友海上と「車中泊保険」を開発しています。
一定のルールを明確化したうえでサービス提供をおこなっても、施設への被害、利用者同士のトラブル、周辺住民への騒音や迷惑といった問題が発生するリスクがあるようです。
このためカーステイ社が包括的な保険に加入することで、利用者に保険料の負担をかけることなく、安心してサービスを利用できるよう、手厚いサポート体制を整えたとしています。
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IT化によって進む「MaaS」時代において、キャンピングカーは生活インフラを備えた移動スペースとして、より大きな可能性があります。
近年増加している自然災害時には、緊急時の生活インフラ提供が可能です。避難時のプライバシー空間の確保や、ペットと一緒に避難できる場所としても利用できます。
また、テレワークなど仕事の仕方が多様化するなかで、コワーキングスペースとしても利用可能です。旅行しながら仕事も生活も出来る移動空間として、新しいライフスタイルを提示するポテンシャルも秘めています。
今後のキャンピングカーは単なる移動手段ではなく、さまざまな可能性を併せ持つモビリティサービスとして進化していくのかもしれません。
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