注目小型車 トヨタ「ヤリス」とホンダ「フィット」 同時期に全面刷新でも異なる方向性とは
新型フィットの特徴「心地よさ」追求の狙いとは
ホンダは、新型ヤリスの発売日(2月10日)の4日後に新型フィットを発売します。
フィットは2001年6月に初代モデル、2007年10月に2代目モデル、2013年9月に3代目モデルが発売されており、今回で約6年半ぶりの全面刷新となりました。
新型フィットのプラットフォームは3代目モデルと共通で、効果的な補強がおこなわれたことで剛性が高められ、走行安定性と乗り心地が向上しています。
外装デザインは、“柴犬”をキーワードにデザインされた顔つきが特徴で、ヘッドライトをはじめ全体的に角のとれた優しい印象です。
搭載されるパワートレインは、1.5リッターエンジンに2モーターハイブリッドシステムが組み合わされた新開発の「e:HEV(イー・エイチイーブイ)」と、1.3リッター直列4気筒エンジンの2仕様です。全車CVTが組み合わされて、MTの設定はありません。
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ホンダによると、今回の新型フィットのコンセプトは追求された「心地よさ」だといいます。
まず「座り心地」を追求するために、フロントシートには、上級セダンへの搭載も見据えて新しく開発した、新世代のボディスタビライジングシートを採用。
身体をしっかり保持する面支持構造とすることで、長時間ドライブでも疲れにくいやわらかな座り心地を実現しました。
また、小型化した2モーターハイブリッドシステムのe:HEV(イー・エイチイーブイ)が採用されたことで、従来のシステムからモーター走行の領域が拡大。
日常シーンのほとんどをなめらかなモーター走行とすることで、優れた環境性能とともに、心地よい走りと力強い加速で、快適な「乗り心地」を提供するといいます。
「使い心地」の面においては、歴代フィットが継承してきた広い室内空間はそのままに、乗員全員がみんなが快適に過ごせる収納や便利装備などを用意しました。
また、運転時の「心地よい視界」を実現するために、フロントピラーの断面構造に従来とは異なるタイプを採用し、55mmという極細のピラーを実現。
万が一の衝突時には極細フロントピラーは衝突荷重を受けずにボディへ衝突荷重を流すことで、衝突安全性能とワイドな視認性を両立させました。
これらの特徴は数字上のスペックでは表せないものも多いですが、「心地よさ」をテーマとした狙いはいったいなんでしょうか。
ホンダは新型フィットについて次のように説明しています。
「新型フィットでは新しいクルマづくりの考え方として、数値では表せない『感性価値』を追求しました。そのうえで、お客様の生活に寄り添うような4つの心地よさを具現化しています。
歴代のモデルでの特徴でもある広い室内空間や使い勝手のよさは継承しつつ、グローバルで通用する新しい時代のコンパクトカーのスタンダードを目指して開発しました」
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新型ヤリスと新型フィットでは、より良いコンパクトカーという目標は同じでありつつも、そこに行き着くための考え方には違いがあるといえるでしょう。
結果として違うキャラクターを持つことになった両車が、コンパクトカー市場でどのような評価を受けるのか、注目です。
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