注目小型車 トヨタ「ヤリス」とホンダ「フィット」 同時期に全面刷新でも異なる方向性とは
トヨタ新型「ヤリス」が2020年2月10日に発売され、同年2月14日にはホンダ新型「フィット」が発売されるなど、国産コンパクトカー市場が賑わいを見せています。そんななか、両車の性格は新型ヤリスが「走りのよさ」で新型フィットが「心地よさ」だというのですが、トヨタとホンダのコンパクトカー戦略はどのような点が違うのでしょうか。
トヨタの新世代コンパクトカーは走りに注力?
トヨタは2020年2月10日に新型コンパクトカー「ヤリス」を発売しました。また、同年2月14日にはホンダも新型コンパクトカー「フィット」を発売し、コンパクトカー市場が盛り上がりを見せています。
そんななか、両車のコンセプトを比較すると、新型ヤリスは「軽快なハンドリング」などといった走行性能の高さが注目される一方、新型フィットは座り心地や使い心地、乗り心地といった「心地よさ」が特徴とされています。トヨタとホンダのコンパクトカー戦略はどのような点が違うのでしょうか。
トヨタ新型ヤリスは以前使われていた日本名の「ヴィッツ」から車名が改められて、海外名の「ヤリス」として登場した新型コンパクトカーです。
プラットフォームには今回初採用となるコンパクトカー向けTNGAプラットフォーム(GA-B)が用いられ、軽量かつ高剛性、低重心なボディを実現しています。
デザインはムダをそぎ落して、かつ引き締まった造形を採用し、アクティブで躍動感を感じさせる外観となっています。
搭載されるパワートレインは新開発となる1.5リッター直列3気筒ダイナミックフォースエンジンを採用した新世代ハイブリッドシステムと、同じく新開発の1.5リッター直列3気筒ダイナミックフォースエンジンのガソリン仕様、そして改良された1リッターエンジン仕様の3種類です。
3代目(旧型)ヴィッツと新型ヤリスのハイブリッド仕様同士でシステム出力を比較すると、3代目ヴィッツの100馬力から新型ヤリスでは116馬力にパワーアップしており、スムースな加速と軽快な走りを実現しました。
また、ガソリン仕様には6速MTの設定もあり(1.5リッターのみ)、操る楽しみを味わえるグレードが用意されています。
なお燃費性能にも配慮され、2WD・ハイブリッド仕様のWLTCモード燃費は36.0km/Lと、世界トップレベルの低燃費を実現しました。
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新たなTNGAプラットフォームを採用したことによる改良点として、乗り心地も向上しているというものの、新型ヤリスの特徴を見ていくと「軽快なハンドリング」や「6速MTの設定」、そして「引き締まった外観デザイン」など、スポーティさが強調されています。
このようなコンセプトをトヨタが掲げた理由としては、どのようなものがあるのでしょうか。トヨタの担当者は新型ヤリスについて次のようにコメントしています。
「新型ヤリスの開発においては、従来のコンパクトカーよりも『ひとつ上のクラスの走り』を実現することを意識して開発しています。
もちろん攻めた走りに関してだけではなく、乗り降りから走り出し、高速走行時まであらゆる面で『ずっと乗っていたくなる』ような仕上がりを目指しました」
また、新型ヤリスが初披露された発表会において、トヨタの豊田章男社長は次のようにコメントしています。
「ヴィッツをはじめとするひと昔前までのコンパクトカーは、主にセカンドカーとして使われていました。
しかし、今回の新型ヤリスはコンパクトカーの概念を打ち破るために、ファーストカーとしても乗れるクルマにしたいという想いで車名を『ヤリス』に変えました」
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「ひとつ上のクラスの走りを実現する」「コンパクトカーの概念を打ち破る」という意気込みを感じさせる要素のひとつとして、走りの良さを掲げていることがわかります。
そんな新型ヤリスの走行性能以外の特徴として、トヨタ初の装備が多数装着されていることも挙げられます。
そのなかのひとつである高度駐車支援システム「トヨタ チームメイト[アドバンスト パーク(パノラミックビューモニター付)]」は、事前に駐車位置を登録することで白線のない駐車場でも使用可能(世界初)となるほか、ハンドル・アクセル・ブレーキをクルマが制御し、駐車に必要な操作を支援します。
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