日産「セレナ」人気復活!? 販売低迷から復調に一転した要因とは

日産「セレナ」は、マイチェンで何が変わった?

 5代目となる現行セレナは、2016年に登場しています。なかでも高速道路など同一車線で前走車追従や加減速、ハンドルアシストに対応した運転操作支援システム「プロパイロット」を採用したことで大きな話題となりました。

 2017年3月には、電動パワートレイン「e-POWER」を搭載したモデルを追加発売したことで大きく販売台数を伸ばします。

 さらに、2019年8月には外観デザインが大幅に変更されました。ダブルVモーショングリルを採用し、クロームを多用したグリルの造形によって迫力のあるフロントフェイスになりました。

 マイナーチェンジ前後の外観デザインの違いでは、標準モデルとスポーティなエアロパーツが採用されたハイウェイスターモデルとで分かれます。

 印象としては、オラオラ顔がハイウェイスター、少しおとなしめな顔が標準モデルといえます。それぞれ、e-POWER車にはフロントグリルにブルーのアクセントが入ります。

「セレナ e-POWER Highway STAR」のマイナーチェンジ前後の比較
「セレナ e-POWER Highway STAR」のマイナーチェンジ前後の比較

 搭載されるパワートレインには、前述のe-POWERとSハイブリッドのふたつを設定。e-POWERは、エンジンを発電用としてだけ使用し、モーターのみで100%駆動することが最大の特徴です。

 また、日産「リーフ」のような電気自動車と異なる部分として、バッテリーに蓄えた電力に加え、ガソリンエンジンで発電した電力を使う部分やリーフのように外部から充電することはできません。

 一方、Sハイブリッドは発進加速時にエンジンの駆動力をモーターがアシストするハイブリッドシステムです。

 燃費(JC08モード)は、Sハイブリッドの15.0km/Lから17.2km/Lです。対して、e-POWERは23.4km/Lから26.2km/Lとなり、Sハイブリッドは燃費性能では劣るものの、ほかのミニバンと比べると決して悪い数値ではありません。

 また、4WD車の設定があるのはSハイブリッドのみとなり、e-POWERよりも50万円程低い価格設定となっています。

 前出とは別の販売店スタッフは、パワートレインの違いについて次のように話します。

「セレナe-POWERを検討して、来店されるお客さまは多いです。しかし、ライフスタイルや細かな仕様を話していく内に、Sハイブリッドを最終的に購入される人もおります。やはり、価格の差が大きいことが理由のようです」

※ ※ ※

 基本的なグレードは「X/XV/G」となり、それぞれにスポーティなハイウェイスターが設定されています。パワートレインは、マイルドハイブリッドのSハイブリッドとe-POWERが用意されています。

 乗車定員数は、パワートレインによって異なり、Sハイブリッド車が8人乗り、e-POWER車はバッテリーの配置の関係から7人乗りです。

 シートアレンジにおいて、e-POWER車では、セカンドシートに両側アームレストが付いたキャプテンシートとなっており、ロングドライブでも疲れにくいスパイナルサポート形状が採用されています。

 一方のSハイブリッド車には、スマートマルチセンターシートが標準装備され、スマートマルチセンターシートを1列目に移動させることで、2列目から3列目のウォークスルーでき、2列目シート中央の通路幅も広く、大人でもスムーズな移動が可能です。

 また、一部グレードでは、セカンドシートの「超ロングスライド+横スライド」で足を思いきり伸ばすことができ、余裕があるスペースが生まれます。

 2019年の下半期は、他社ミニバンの勢いにやや負けた感じのあったセレナですが、持ち前のe-POWERやプロパイロットをはじめとする安全性能の高さによって、「売れているミニバン」を奪還できる日も近いかもしれません。

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Writer: くるまのニュース編集部

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