キャンピングカーも多様性の時代!? ブームの影で変化するトレンドとは

日本では、キャンピングカー市場が盛り上がりを見せています。最近では、手軽にキャンピングカーライフを始められる軽自動車をベースにした「軽キャンパー」から、2000万円近い価格の超高級キャンピングカーなど、多種多様なモデルが登場しています。そんななか、最近のキャンピングカー市場における変化とはどのようなものなのでしょうか

クローラー車でキャンピングカーをけん引!?

 近年、キャンピングカーは車中泊ブームと相まって人気が高まっています。そんななか、新たなトレンドも生まれているといいます。いったい、どのようなものなのでしょうか。

エアストリームの「ベースキャンプ」をけん引するクローラー装着車
エアストリームの「ベースキャンプ」をけん引するクローラー装着車

 国内最大級のキャンピングカーの祭典「キャンピングカーショー」には、大小様々なタイプのキャンピングカーが集結しました。

 日本RV協会による、日本におけるキャンピングカーの総保有台数は、2005年時点では約5万台でしたが、2018年には約11万2500台を記録。2011年の東日本大震災の影響で一時期、キャンピングカーの需要が落ち込みましたが、近年は順調に回復し、キャンプブームもあって、国産キャンピングカーの生産台数も年々増加し、2018年には過去最高を記録するなど、販売台数は右肩上がりに伸びています。

 これまで、日本のキャンピングカーは、軽バン・軽トラックをベースにしたモデルや、トヨタ「ハイエース」などのワンボックス車をベースにした「バンコンバージョン(以下バンコン)」といわれるスタイルが主流でした。

 しかし、キャンピングカーが広まるにつれ、より快適性を求めるユーザーが増加し、昨今ではキャンピングカーベース車のトヨタ「カムロード」などに、キャンピングシェルを架装した「キャブコンバージョン」というスタイルに人気が集まっています。

 また、海外の大型キャンピングカーにも注目が集まっており、全体的に高級路線を突き進んでいるようです。

 一方で、これまでのスタンダードだったバンコンバージョンも進化を止めておらず、さまざまな内装に仕立てられた新作が登場。北米や欧州でかつて流行した生活様式「バンライフ」を取り入れたアーリーアメリカン調の内装や、プロのインテリアコーディネーイターが手がけたモダンスタイルの内装など、バンコンの車内もまた、年々高級路線となっています。

 そんななかで、今回のキャンピングカーショーで新たなムーブメントが興っています。それが「マルチパーパス(多目的なもの)」と「ヘビーデューティ(耐久性のあるもの)」です。

 マルチパーパスに使えるSUVやクロスオーバーにおいても、いまヘビーデューティスタイルが流行していますが、その流れはキャンピングカーにもやって来ています。

 今回、キャンピングカーショー2020で際目立っていたのが、究極のマルチパーパスを実現したキャンピングトレーラーで、雪の上を滑走可能な仕様です。

 ベースになっているのは、アメリカの名門ブランド エアストリームの「ベースキャンプ」。このモデルは元々、エアストリームのラインナップのなかでも異質なモデルで、ダートなどのオフロードでも走れるよう、サスペンションとタイヤの性能、そしてボディ重量が考慮されています。

 このタイヤ&ホイールを、専用のソリに変更することで、雪の上を滑走することができるのです。企画したのはエアストリームジャパンで、ソリをつくったのは4WD車のクローラーを製作しているノースウエスト特殊車両です。

 クローラー車のトレーラーヘッドで牽引すれば、雪原野でも自在に進むことができ、ダイナミックな景色のなかでオートキャンプを楽しむことができます。

 エアストリームジャパンのスタッフによると、「雪の上でも走るキャンピングトレーラーをつくりたかった」というシンプルな理由から企画されたようですが、広報担当者はさまざまなシーンでの用途を見据えているといいます。

「昨今はキャンプブームで、一定の場所での使用に限られるキャンピングトレーラーにも、マルチパーパスな性能が期待されています。

 またSUVも同様ですが、昨今は災害時の運用という点でも期待されています。元々、キャンピングカーは東日本大震災以来、プライベートな空間を確保するという点で注目されてきたジャンルです。

 そのため、道路などのインフラがダメージを受けた状態でも、走れるキャンピングカーがあれば、より注目度は上がります。この雪上を走れるトレーラーも、雪山遭難救助のベースとして使うことができるほか、単なるレジャーだけではない用途を模索していければと考えています」(エアストリームジャパン・広報担当者)

※ ※ ※

 他社製品といかに差別化をはるかに、多くのキャンピングカービルダーが苦心しています。今後、各社がマルチパーパス化とヘビーデューティ化に同調していくのかは分かりませんが、少なくともSUV人気が続く自動車市場を見るかぎりでは、キャンピングカー市場でも十分通用しそうなムーブメントなのではないでしょうか。

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