バブルに一世を風靡したけど激減!? いまでは希少なコンパクトクーペ5選
クーペから撤退して、もはや幻となったモデルとは!?
●三菱「エクリプス」
現在ではSUVを中心に販売している三菱ですが、かつてはスタイリッシュなクーペを数多く輩出していました。
特に北米ではクーペの需要が日本以上に高かったので、1989年に北米専用モデルとして発売したのが「エクリプス」です。
エクリプスはアメリカの工場で生産されていましたが、1990年に日本に左ハンドルのまま輸入して販売しました。
ボディサイズは全長4395mm×全幅1690mm×先行1320mmと、アメリカ製としては非常にコンパクトで、曲面を多用した流麗でスタイリッシュなフォルムが特徴でした。
基本的なコンポーネンツは、当時の「ギャラン」で使用されたエンジンやシャシを流用しており、ハイパワーなモデルでは、十分にスポーツカーといえる走りを披露します。
1994年に2代目へと進化し、コンバーチブルモデルも導入されましたが、バブル崩壊後ということもあり販売は低迷したため、この代で一旦販売を終了。
2004年に左ハンドルのオープンモデル「エクリプス スパイダー」が販売されましたが、もはや2ドア車の市場は縮小しており、2006年で完全に販売を終了してしまいました。
●いすゞ「ピアッツァ」
現在はトラックなど商用車メーカーとなっているいすゞですが、かつては自社開発の乗用車を数多く販売していました。
その代表的なモデルとして、いまでも一部に熱狂的なファンを持つモデルが「ピアッツァ」があります。
1981年まで生産された、日本を代表する名車「117クーペ」の後継モデルとして1981年に登場したピアッツァは、117クーペと同じく巨匠ジウジアーロによるデザインの美しいクーペです。
通常はコンセプトカーと市販車ではデザインが大きく変わりますが、ピアッツァはジウジアーロがデザインしたコンセプトカーを、ほぼそのまま市販化したことで大いに話題となりました。
ボディサイズは全長4385mm×全幅1675mm×全高1300mmの5ナンバーサイズに収まり、主要なコンポーネンツは、当時のいすゞの主力だった「ジェミニ」と共用。
1980年代に始まった国産メーカーのパワー競争に応えるべく、デビュー当時の135馬力から1984年のマイナーチェンジでは、クラス最強の180馬力を誇る2リッターターボエンジンを搭載しました。
また、1985年にはドイツのチューナー「イルムシャー」の手によってチューニングされた「ピアッツァ イルムシャー」を発売。
さらに、1988年には、同じGMグループのロータスによりチューニングされた「ピアッツァ ハンドリングbyロータス」を発売することで、高い人気を誇りました。
しかし、基本設計の古さは否めず、他メーカーが新型モデルを登場させるなか、1994年にFFの2代目ピアッツァを発売しますが、販売は低迷。
1994年にピアッツァの生産を終了してSUVの販売に注力しますが、2002年にはいすゞが乗用車生産から撤退してしまいました。
※ ※ ※
日本ではクーペというと趣味的な要素が強く、わずかなラインナップから選ぶしかありません。
一方で海外メーカーは、まだまだクーペをたくさんラインナップしていますが、高価なモデルばかりです。
かつてのようなエントリーモデルは海外でも少なくなり、若者でも手が届くモデルは、ほとんどないのが現状です。この状況は残念ながら好転することはないでしょう。
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