日産「リーフ」は冬に航続距離が激減!? ガソリン車とは違うEVの暖房事情とは
エンジンがない電気自動車(EV)にとって、ヒーターの使用は航続距離に大きく影響します。量産EVとして登場した日産「リーフ」は、発売当初にヒーターが課題だといわれていたのですが、現在はどうなっているのでしょうか。
量産EVリーフは暖房が課題だった
寒い冬の時期にクルマを運転するとき、冷え切った車内を暖めるため、ヒーターを使うことが多くなります。
ガソリン車の場合、ヒーターはエンジンの廃熱が熱源となっているので、燃費の悪化を気にせず使用することができます。

しかし、エンジンが存在しない電気自動車(EV)は、ヒーターにエンジンの廃熱を使用することができないため、バッテリーの電気を使うことになります。EVの暖房事情は、どうなっているのでしょうか。
2010年12月に量産EVとして発売された日産「リーフ」は、当時は充電器の整備はもちろん、バッテリーの容量やヒーターが大きな課題でした。
初期型に採用されていたヒーターは「PTCヒーター」というタイプで、かつて家庭でも使用されていた、バネが赤くなる電気ストーブと同じ原理です。リーフでは、熱線で加熱した温水の熱を車内に循環させていました。
そのため、消費電力が大きく、ヒーターをつけた途端にメーターに表示される航続可能距離が150kmから80kmに激減したともいわれました。
日産の販売店の営業スタッフは、次のようにいいます。
「航続可能距離はドライバーの運転の傾向や、走行状況から算出された数字を表示していますので、すべてがヒーターのせいとは限りません。
とはいえ、ガソリン車でも同じように表示する車種がありますが、ヒーターを使用したからといって、リーフのように航続距離が大きく変わることはありません。
お客さまには、EVにはエンジンがありませんから電気ストーブを置いているようなものと説明していました」
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発売から2年後の2012年11月におこなわれたマイナーチェンジでは、暖房による電力消費量を減らすことが改良ポイントのひとつでした。
そこで、初期型では冷房用のエアコンとヒーターの併用だった空調システムに、家庭用のエアコンと同様のヒートポンプ式冷暖房システムとシートヒーターを採用。
冷房はもちろん、暖房に関してもヒートポンプエアコンを使用しつつ、必要に応じてシートヒーターとしてPTCヒーターを併用することで、電力消費を3割程度減らすことができたそうです。























