モデルチェンジでなぜ廃止? スズキ新型「ハスラー」にMT車が設定されない事情とは
スズキの軽クロスオーバーSUV「ハスラー」がフルモデルチェンジしました。新型ハスラーでは次世代パワートレインが採用され、エンジンやCVTなどが一新するとともに、安全装備も進化しています。先代モデルに設定されていた5速MT車が廃止になったのですが、それはなぜなのでしょうか。
コアなファンに人気だったハスラーのMT仕様がなくなった!
スズキの軽クロスオーバーSUV「ハスラー」がフルモデルチェンジし、2代目モデルに進化しました。
新型ハスラーは次世代パワートレインが採用され、エンジン、CVTなどが見直されました。
燃費が良く軽快な走りを実現する新開発の660cc自然吸気エンジンと、「アルトワークス」から採用された、ゆとりある動力性能を備える660ccターボエンジンがあり、全車にマイルドハイブリッドが搭載されました。トランスミッションについては、新開発のCVTが全車に採用されています。
その一方で、先代モデルに設定されていた5速MT車が、フルモデルチェンジを機に廃止されました。
設定がなくなった理由について、新型ハスラーの商品開発を担当するスズキ株式会社 四輪商品・原価企画部の高橋修司氏は次のように説明します。
「今回、新エンジンの開発や新たな安全装備もふくめて、CASEやMaaSの対応もあるので、開発リソースをまずはここに集中させました。そのため、現状ではMT車の設定はなくなっています。
先代モデルではMT車を選択するユーザーは5%未満でしたが、ご愛顧いただいているユーザーはいます。実際、東京モーターショー2019で新型ハスラーのコンセプトを展示した際に、MT車に対する要望を多くいただきました。
新型ハスラーに、衝突被害軽減ブレーキや、ターボ車は全車速追従機能を装備したことを考えると、難しい部分はあると思いますが、安全装備は、AT/MTに関わらず、すべてのクルマに平等に搭載すべきと考えています。
MTだから安全装備がなくてもいいという選択肢はあり得ないので、しっかりMTと向き合い、お客さまの声を聞きながら、MT車の導入について検討することになります」
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MT車を購入する人は、新車販売のわずか2%ほどだといわれています。ほとんどのクルマがATやCVTのみを設定するなかで、MT車は絶滅危惧ともいえる状況です。
スズキでは、「アルト/アルトワークス」「ワゴンR」「ジムニー/ジムニーシエラ」「スイフト/スイフトスポーツ」などにMT車が設定されており、選択肢としては比較的多い部類に入りますが、今後の状況によってはAT/CVTをメインに商品展開されていくことも考えられます。
その一方で、新型ハスラーでは、デザインや使い勝手の向上などにユーザーの意見が多く盛り込まれ、先代モデル以上に魅力的なモデルに進化しました。
ユーザーの声を取り入れてハスラーが進化したことを考えると、MT車に対するユーザーの要望が高まれば、追加設定される可能性も捨てきれないといえるのではないでしょうか。
この件に少し関連しますが、OEMでMAZDAに提供している「フレア」に、ワゴンRに設定のあるマニュアル仕様がないのが惜しい。SUZUKIアルトがベースで同じOEMの「キャロル」には、マニュアルミッションの設定があるだけに。
日本のメーカーもいよいよ話をちゃかすようになったか?
変速時のトルク抜けを克服するためにツインクラッチなどのAMTやISUZUの初期のNAVi5など機械屋ならMTの伝達効率の良さは分かっているのに割合でCVTしか設定しないのはメーカーの単なる都合で顧客に8分程度の物を延々売り付けるのは商いの単なる傲慢でしかない!
MTあれば買い換えたかもしれない…
先代ではハスラーのMTは欲しいがNAのみでターボが無いから仕方なくCVTにしたという人も多くいました。それでも自分はCVTのダルなレスポンスが受け入れられず、Gの4WDMTモデルを購入しましたけれどね。
軽という性質上、ターボ付きの方がパワーバンドと静粛性で余裕ができていいのに。中途半端な設定がユーザーを惑わせているだけです。
ワゴンRはあとから追加されましたが最低グレードへの採用。せめてミドルグレードでそこそこの装備が充実したモデルのMTに乗りたいのです。
廉価手段としてのMTという考え方そのものがそもそもユーザー目線と乖離しています。