3列目なんて必要ない! 使い勝手も良かった絶版2列シートミニバン3選
ホンダからもチャレンジングな2列シートミニバンが登場した
●ホンダ「S-MX」(1996年から2002年)
ホンダ「S-MX」は、1990年代にホンダが展開していた「クリエイティブ・ムーバー(生活創造車)」の第4弾モデルです。
3列シートミニバンの初代ステップワゴンをショートホイールベース化、全長3950mmと4mを切るボディながら、1765mmの全高と低床フラットフロアにより広々とした車内スペースを確保したモデルです。
前席/後席ともにベンチシートを採用。前席は左右独立してスライドが可能で、後席は300mmものロングスライドができました。コラムシフトの採用により、前席左右のウォークスルーも実現していました。
初代RVRと同じく右側に1枚、左側に2枚のドアを採用していましたが、後席ドアはRVRのスライドドアに対してS-MXはスイングドアを採用していました。
前後ベンチシートを倒せば、完全フルフラットのベッドになるのが特徴でした。まだ「車中泊」という言葉がない時代、S-MXは、若者の「デートカー」として人気になりました。車高を15mm下げた「ローダウン」仕様もありました。
車両価格も164万8000円からと手ごろで、またデュアルポンプ式4WD車も用意するなど販売は好調でしたが、ステップワゴンが2代目にフルモデルチェンジするタイミングで、2002年に販売が終了しました。
●ホンダ「エディックス」(2004年から2009年)
エディックスは、2004年に登場したホンダの2列シートミニバンです。
特徴は、2列シートながら、前3人後3人の6人乗りを実現した「3×2ミニバン」というコンセプトです。3席×2列の6座を独立させて、前後のセンターシートを270mmものロングスライド可能なV字シートレイアウトを採用したことで、全幅を1795mmに抑えつつ、隣りの人と肩をずらして快適な横3人掛けを実現していました。
全長は4285mmですが、6人フル乗車の状態でも439リッターと大容量の荷室を確保、さらに2列目をすべてたたむと26インチのMTBが3台も積載可能な、最大1049リッターのラゲッジルームが実現、さらに前後センターシートを倒せば4名乗車でもスキーなど長尺物も積載できるなど、抜群のユーティリティを誇りました。
登場当時のエンジンは、2リッターのi-VTECと1.7リッターVTECの2種類。とくに156馬力/188Nmを発生する2リッターエンジンモデルは元気で、前1550mm/後1560mm(2WD車)とワイドトレッドを活かして、ロール感の少ない安定した走りを実現していました。
日本では「3人×2列」という独特のコンセプトが市場に受け入れられず、1代限りで終了しました。ちなみにヨーロッパでも「FR-V」の名で販売されました。
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一般的には「どうせミニバンを買うのならば3列シートがほしい」と思う人が多いと思います。そのため2列しか持たないミニバンは、いままで日本ではあまりヒットしてこなかったのが現実です。
ただし現行のコンパクトミニバン、シエンタやフリードに2列シート仕様車が用意されたりと、2列シートミニバンのニーズそのものがないわけではなさそうです。それは日本でのカングーの人気ぶりを見てもあきらかです。
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