まるでSF映画の宇宙船!? 未来感あるデザインの車3選
クルマのデザインは販売を左右する重要な要素です。優れたデザインのクルマは「美しい」「カッコイイ」などと評されますが、なかには常人では理解が難しい前衛的なデザインのクルマもあります。そこで、まるでタイムスリップしてきたような未来感のあるデザインのクルマを3車種ピックアップして紹介します。
優れたデザインなのか!? 未来から来たようなクルマたち
優れたデザインのクルマは見ているだけで楽しいものです。実際に外観のデザインは、そのクルマがヒットするかしないかを左右する、重要な要素のひとつとなります。
一方で、過去に販売されたクルマのなかには、常人では理解が難しい前衛的なデザインのクルマもありました。
そこで、先進的なデザインのクルマを3車種ピックアップして紹介します。
●スバル「アルシオーネSVX」
1985年に発売されたスバル「アルシオーネ」は、直線を多用したシャープなフォルムや、特徴的な内装のデザインで話題となった2ドアクーペです。
そして、1991年には2代目となる「アルシオーネSVX」が登場。デザインは先代から一転して曲線を多用した流麗なフォルムに変更されました。
オリジナルのデザインコンセプトはいすゞ「117クーペ」と同じくジョルジェット・ジウジアーロによるもので、それを基にスバルのデザイナーによって完成されています。
特徴的な「ミッドフレームサイドウインドウ」は他に類を見ないデザインで、アルシオーネSVXの美しさを表現する重要なアイテムです。
エンジンは最高出力240馬力を発揮する3.3リッター水平対向6気筒を搭載し、スバル独自の4WDシステムで、ハンドリングと安定性を両立させるなど、当時のスバルとしては、もっとも贅沢で先進的な装備を持ったクルマでした。
しかし、発売直後にバブルが崩壊するというタイミングの悪さもあり、販売は低迷。それでも6年間販売され続け、いまでもファンが多く、アルシオーネSVXを専門に扱う中古車店もあるほどです。
●シトロエン「SM」
フランスの老舗メーカーであるシトロエンの作るクルマは、古くから奇抜なデザインのものが多く、独特な乗り味を含め熱狂的なファンが存在します。
なかでも1970年に発売された「SM」は、シトロエンのデザインの集大成といえるモデルで、全長は5m近くあり、全幅も1.8mを超える巨大な3ドアハッチバッククーペです。
しかし、スペース効率よりもデザインを優先したためか、サイズの割に室内は広くありませんでした。
外観の特徴は多岐にわたりますが、とくにフロントフェイスの6連ヘッドライトが印象的で、ハンドルと連動して左右に動く画期的なものでした。
全体の佇まいは「宇宙船」と表現されたほど当時は斬新で、ロー&ワイドなフォルムは美しく、いまも語り草になるほどです。
エンジンは3リッターV型6気筒DOHCをフロントに縦置きで搭載し、前輪を駆動するFFレイアウトを採用。このエンジンは当時、スーパーカーを生産していたマセラティから供給されていました。
SMはフルモデルチェンジすることなく、誕生から5年ほどで生産を終了。日本に正規輸入されていましたが、とても希少なモデルで、オーナーが手放すことも少ないため中古車で流通することは滅多にありません。