高性能でも生き残れなかった理由とは!? 短命だったエンジン5選
スバル初の大排気量エンジンとは!?
●スバル「ER27型」
1985年にスバルのフラッグシップとして登場した2ドアクーペ「アルシオーネ」は、「クサビ型」という形容がぴったりな外観の未来的フォルムで、当時のスバル車のなかでも異質なイメージでした。
スバル初で唯一のリトラクタブルヘッドライトを採用したモデルでもあり、空気抵抗を推し量るCD値(空気抵抗係数)は0.29と、国産車で初めて0.3を下回る値を実現。
搭載されたエンジンは最高出力120馬力を発揮する1.8リッター水平対向4気筒ターボ「EA82型」でしたが、アルシオーネはグローバルモデルで、海外では1.8リッター4気筒のみでは魅力が薄いことから、EA82型エンジンをベースに2.7リッター水平対向6気筒エンジン「ER27型」を新たに開発。
自然吸気で最高出力150馬力を発揮し、1987年に発売された「アルシオーネ2.7VX」に搭載されました。
スムースな回転フィールが特徴の水平対向6気筒エンジンでしたが、1991年に、3.3リッター水平対向6気筒「EG33型」エンジンを搭載する「アルシオーネSVX」が登場したことにより、ER27型エンジンは短い期間で役目を終えることになりました。
●ホンダ「EA型」
ホンダは軽自動車「N III」の後継車として、1971年に「ライフ」を発売。N IIIと同様に、360cc直列2気筒エンジンを横置きに搭載したFF車ですが、空冷エンジンだったN IIIに対して水冷化された「EA型」エンジンを搭載していました。
水冷化によって高速走行時の安定した燃焼や、静粛性の向上とヒーターの効きも大きく改善され、ファミリーカーとしての快適性が格段にアップされます。
EA型は日本車ではじめてタイミングベルトを採用したエンジンで、振動を軽減するバランスシャフトを搭載。最高出力31馬力を発揮し、ライフシリーズだけでなく、「ライフステップバン」や「ライフピックアップ」、スポーティモデルの「Z」にも搭載されました。
そして、1972年には、他社の2サイクルエンジンの高出力化に対抗するため、ツインキャブレターを装着することで最高出力36馬力に高められたEA型エンジンを、ライフとZに搭載します。
そうしたなか、1972年に発売された初代「シビック」の世界的なヒットを受け、ホンダはシビックの生産に注力するために、1974年に軽乗用車市場から撤退。同時にEA型エンジンの生産も終了となりました。
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長く生産されたエンジンは、基本性能の高さを証明する優れたエンジンです。また、ユーザーにとっても長寿エンジンは、部品供給が長く続くというメリットがあります。
現在、クルマの電動化が進んでいますが、ハイブリッドが生産される限り内燃機関はまだまだ活躍する場が残されています。
クルマのモデルチェンジサイクルも長くなっているので、優れたエンジンを開発することは、メーカーにとっていままで以上に重要な課題となるでしょう。
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