燃費にこだわり過ぎた残念な車とは!? 注目された低燃費車5選

クルマ選びに欠かせない性能のひとつが燃費ですが、現在、カタログ値で30km/Lオーバーのモデルはめずらしくなくなりました。ここに至るまで、各メーカーの低燃費化への努力は目覚ましいものがあります。そこで、これまでに注目された低燃費車5車種を紹介します。

燃費を追い求めた先駆者たちと最新モデル

 クルマを購入しようと思ったときに、選ぶポイントとなる性能のひとつに燃費があります。日本では燃料1リットルあたりの走行距離を表記する方法が取られ、各車とも同じ土俵で比較可能です。

ストイックなまでに低燃費を追求したクルマの代表といえば……
ストイックなまでに低燃費を追求したクルマの代表といえば……

 これまで、「60km/h定地燃費」「10モード」「10・15モード」「JC08モード」などの試験方法がありましたが、現在では、より実燃費に近い値となる「WLTCモード」が採用されています。

 年を追うごとに厳密になる燃費の計測方法ですが、各メーカーとも燃費向上の努力を日々続けている状況です。

 そこで、これまでに注目された低燃費車5車種をピックアップして紹介します。

●トヨタ「ヤリス ハイブリッド」

新たな低燃費車のベンチマークとなりそうな「ヤリス ハイブリッド」
新たな低燃費車のベンチマークとなりそうな「ヤリス ハイブリッド」

 1999年に発売されたトヨタ「ヴィッツ」は、大人4人が快適に過ごせる空間と、優れた基本性能を実現した世界戦略車です。

 従来の「スターレット」に代わるトヨタのエントリーモデルで、海外では「ヤリス」という名前で販売されました。

 2013年に登場した3代目ヴィッツでは、2017年のマイナーチェンジでハイブリッド仕様を追加。パワーユニットは同社の「アクア」と共用で、JC08モード燃費は34.4km/Lを誇ります。

 そして、2019年に車名をグローバルで統一したヤリスになることが発表され、2020年2月10日に発売予定とアナウンスされました。

 このクラスのトヨタ車では、初めてTNGAプラットフォームを採用。無駄を徹底的にそぎ落とし、電気系、機械系損失を大幅に低減させることで省燃費性能に磨きをかけ、1.5リッター直列3気筒「M15A-FXE型」エンジン+モーターの2WD「HYBRID X」では、ハイブリッド車のなかでもトップレベルのWLTCモード36km/Lを達成。

 今後は、ヤリス ハイブリッドが燃費性能のベンチマークとなるでしょう。

●初代トヨタ「プリウス」

世界初の量産ハイブリッド車で、自動車の歴史を変えた存在の初代「プリウス」
世界初の量産ハイブリッド車で、自動車の歴史を変えた存在の初代「プリウス」

「21世紀に間に合いました。」のキャッチコピーで、世界初の量産ハイブリッド車として1997年に登場した初代「プリウス」は、ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせ、ふたつの動力源を使い分ける「THS」(Toyota Hybrid System)ユニットにより、10・15モード燃費で28km/Lと、当時としては驚異的な数値を実現しました。

 純粋にバッテリーのみを動力源とするEVとは違い、バッテリーの充電はエンジンが担当するため駐車時の充電を必要とせず、減速時の運動エネルギーを発電機で電気として取り出し、バッテリーに充電する回生ブレーキシステムが組み込まれています。

 発売当時は現在ほど環境意識が高まっていなかったことや、新車価格が215万円(消費税含まず)と、同クラスのガソリン車よりもかなり高価だったため、年間販売台数は2万台ほどにとどまり、これは当時の「カローラ」の10分の1にも満たない台数でした。

 しかし、環境に対する意識が高まりはじめたことで2代目から販売台数は増え始め、2009年に登場した3代目では爆発的な大ヒットを記録。現在もプリウスはベストセラーの座に君臨していいます。

●初代ホンダ「インサイト」

販売的には成功しなかったが技術的には秀逸だった初代「インサイト」
販売的には成功しなかったが技術的には秀逸だった初代「インサイト」

 1999年にホンダは、打倒プリウスと世界最高水準の低燃費を目指したエコカー「インサイト」を発売しました。

 パワーユニットは1リッター直列3気筒SOHC VTECエンジンに、アシスト用電気モーターを組み合わせた「Honda IMA(インテグレーテッド モーター アシスト)システム」というパラレル型ハイブリッドシステムを搭載。

 発売時点ではプリウスを抜いて、量産車として世界最高の低燃費35km/L(10・15モード)を達成しました。

 ボディ形状はコンパクトな3ドアハッチバックで、「NSX」で培ったノウハウを進化させたアルミフレームや、フロントフェンダーなどを樹脂で構成することで、車両重量は800kg台前半に抑えられます。

 また、空力性能向上を優先してボディ形状が決められ、リアホイールアーチをカバーで覆うなどの処理により、Cd値0.25を達成するなど、当時のホンダが持つ低燃費化技術を凝縮したクルマでした。

 しかし、あまりにストイックに燃費を追求した結果、2名乗車という使い勝手の悪さや、2代目プリウスがEV走行を可能とし、燃費が向上したことにより初代インサイトの販売は低迷したため、2006年に販売を終了。

 その後、2018年に発売された現行型の3代目インサイトでは、初代インサイトの「すべては低燃費のため」というコンセプトは消え、より実用的なハイブリッド車となりました。

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2件のコメント

  1. シャレードのリッターディーゼルは、ポロの1.1Dを越えて、歴史に残る傑作だったと思う。複数台所有で、ジェミニの1.5Dは燃費が良かった。25~28km/L走って、当時の軽油は58円/L程度。今のエコカーの半分程度で済んだ。
    LPGやディーゼルハイブリッドなら、もっと安く乗れるハズ。

  2. 残念どころか秀逸なエコカー5選。
    初代プリウスの売り上げがカローラの1/10って大健闘でしょう。
    個人的に残念だと思うのは大排気量のハイブリッド車。
    車重が重くてハイブリッドなのに燃費が悪い。
    生産、使用、廃棄 全ての段階で環境負荷が大きく、エコカーとは呼べない。

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