アイボ開発担当が「ソニーでもクルマは作れる!」わずか2年で実走行レベルに EV見せたソニーの狙いとは
室内に広がるソニーのエンターテインメントの世界
一方、ボディやインテリア、インターフェイスについてはソニーが担当して開発したそうです。
フォルムやキャビンに与えられたデザインテーマは「オーバル(楕円)」で、周囲にはドアロックの操作をするたびに光を走らせるLEDが組み込まれ、ドアの取っ手も自動開閉する仕組みが採用されました。これはデザイナーのこだわりだったそうです。
車内に乗り込むと、そこはまさにソニーの世界が広がっていました。
ダッシュボードには、3枚の液晶パネルを一体化した超ワイドなパノラマスクリーンが広がり、サイドミラー表示部分をラウンドさせることで、包み込まれた落ち着きを感じさせます。
インターフェイスは「求める機能までの階層が深くならないよう配慮し、好みの設定に簡単にカスタマイズできる」もので、指先ひとつで表示を自在に切り替えられるフリック操作も採用しています。助手席で再生中のコンテンツのタイトル画面をコックピットの壁紙とする、少しギミック的な機能も搭載されていました。
エンターテインメントを楽しむための技術として搭載されたのが、ヘッドホンでも展開されている「360 REALITY AUDIO」です。
ヘッドレストに内蔵されたスピーカーが没入感のあるサウンドを再生する技術で、聴いてみると全体にふんわりとした雰囲気を作りながらも、ボーカルはしっかり前方に定位させていることがわかります。
この臨場感たっぷりのサウンドはコンセプト上は4つすべてで体験できることを想定していたそうですが、「現状では前席のみの対応だが、近いうちに4席すべて対応できるようにしたい」とのことでした。
なお、展示されたVISION-Sは、現状では車両ナンバープレートを取得していないため、現時点では公道には出られません。
しかし、車両自体は実際に走行でき、外からの搬入でも自走して入ってきているといいます。運転席に座った印象はかなり作り込まれており、もしかしたらこのまま市販されるのか、とも思いたくなりますが、担当者いわく「市販する予定はありません」との返事。
ただ、試作車は2020年度中にも公道で走行実験する予定で、走行することでさまざまな課題の解決にもつなげていきたいとのことでした。
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