誕生70年の「軽自動車」いまや定番化 新車市場を4割も占める理由とは
売れ筋軽自動車にはどんな特徴が??
全国軽自動車協会連合会が発表している、2019年度上半期(2019年4月から2019年9月)の販売台数トップ5は以下の通りでした。
1位 ホンダ「N-BOX」:13万6047台(前年比:116.2%)
2位 ダイハツ「タント」:8万8233台(前年比:139.4%)
3位 日産「デイズ」:8万1932台(前年比:129.7%)
4位 スズキ「スペーシア」:7万9843台(前年比:108.5%)
5位 ダイハツ「ムーヴ」:6万2768台(前年比:102.7%)
ここで気になるのは、上位5車種がすべて前年比100%超えを記録していることです。
2位のタントは同年7月にフルモデルチェンジがおこなわれ、3位のデイズも同年3月にフルモデルチェンジしていることから、前年比を上回る数字を記録している理由は分かります。
また、4位のスペーシアは2018年12月に派生モデルとなるSUV風の「スペーシアギア」が追加されたことも影響していると考えられますが、1位のN-BOXや、ムーヴはなぜ前年比を上回る数字になっているのでしょうか。
前述のホンダの販売店スタッフは次のように話します。
「N-BOXが売れ続けている理由として、お客さまからは先代から室内の広さに好評を頂いていることが挙げられます。また、『N-BOXからN-BOX』へ乗り換えされる方も多いです。
さらに、全タイプに安全運転支援システムの「Honda SENSING」が標準装備されていることや、ストレスのない走行性能、軽自動車ならではの燃費性能により、普通車並の性能を持ちつつも、価格を抑えていることなども理由といえます」
2019年10月4日にはN-BOXが一部改良され、標準装備の「Honda SENSING」の衝突軽減ブレーキ(CMBS)やリアワイドカメラの性能を向上。
さらに、「運転席&助手席ヒーター」と「左右独立式リアセンターアームレスト」を標準装備するなど、販売台数No.1を維持するために商品力に磨きがかけられています。
同じく前年比100%を超えたムーヴについて、ダイハツの販売店スタッフは次のように話します。
「ムーヴは、正直他社の軽自動車に比べて、直近では大きな改良を施していません。しかし、お客さまからは100万円から150万円でお求めやすい点や、シンプルで操作もしやすい点などに好評を頂いております」
自動車メーカー各社は、年々成長している軽自動車市場に力を入れ、さまざまなラインナップを展開しています。
なかでも、最近の売れ筋モデルは、全高1600mmから1700mmでヒンジ式ドアの「軽ハイトワゴン」や、N-BOXやタント、スペーシアのような全高1700mm超えでスライドドアを備えた「軽スーパーハイトワゴン」のふたつに分けられます。
誕生から70年を迎えた2019年は「軽自動車の年」ともいえ、軽ハイトワゴンではデイズ/eKワゴン/eKクロス、タント、N-WGN、スズキ「ハスラー」が登場。
軽スーパーハイトワゴンは、タントだけですが、2020年初旬にはデイズとeKワゴンの派生車として、「デイズルークス」と「eKスペース」の後継モデルの登場が予定されています。
また、全高以外の傾向として、SUVテイストを盛り込んだ軽ワゴンジャンルもトレンド化しており、前述のスペーシアギア、eKクロス、ハスラーをはじめ、2020年夏にはダイハツからも新型「タフト」の発売が予定されているようです。
さらに、軽SUVとして、2018年夏に20年ぶりのフルモデルチェンジを果たしたスズキ「ジムニー」や、ダイハツ「ロッキー(トヨタOEMはライズ)」も人気を博しています。
誕生から71年目となる2020年以降は、軽スーパーハイトワゴン、軽ハイトワゴン、軽SUVといったジャンルが益々盛り上がりを見せそうです。
維持費の安さ。狭いところでも突っ込んでいける。安全装備、快適装備が普通車と大差なくなったところだと思う。