国産コンパクトSUVに強力なライバル出現! 200万円台からのVW「Tクロス」に初試乗

1リッター3気筒ターボに不足感なし 自動車税が安いのも魅力

 試乗したのは「Tクロス TSI 1st Plus」です。「Tクロス TSI 1st」が205/60R16サイズのタイヤを装着するのに対し、215/45R18と扁平タイヤを標準装着するのが特徴です。

1.0リッター直3ターボエンジンを搭載。小排気量ながら実力は十分だ
1.0リッター直3ターボエンジンを搭載。小排気量ながら実力は十分だ

 コンパクトなサイズで取り回しがよいことに加えて、車両重量が1270kgと軽いことは、走りにも効いています。

 パワートレインは最高出力116馬力/最大トルク200Nmを発生する1.0リッター直列3気筒の「TSI」ガソリン直噴ターボエンジンに、乾式クラッチを持つDCTの7速「DSG」が組み合わされます。

 3気筒特有のサウンドは、回すと少々安っぽい感じがするのは否めませんが、小排気量ながら実力は十分。2000回転あたりから力感の増す加速性能に不満はありません。むろん、自動車税が安いのも見逃せない魅力です。

 少し前まではギクシャク感が気になったDSGも着実に進化していて、ずいぶんスムーズになりました。半クラッチの制御が上手くなったおかげで、クリープも概ね自然な感覚です。

 静粛性もまずまずで、これでアイドリングストップからの再始動がもう少しなめらかになると良いかなと思います。

 乗り心地は、フラットな路面であればあまり気になることもなく良好なのですが、荒れた路面や段差を通過すると、けっして不快なほどではないものの、やや硬さを感じます。車速が高めなほうが姿勢が落ち着く印象です。

 それほど車高が高いわけではないとはいえ、SUVゆえ普通のハッチバックに比べると重心高が高くなるため、ロールなどの挙動を抑えるには、やはりそれなりに足まわりを固める必要があるということでしょう。

 車両重量は軽いものの、ハンドリングの味付けはあまり軽快さを過度に追求していないようで、軽さを活かした自然な操縦感覚を大事にしつつも、むしろ共通性の高いポロでも感じたような、小さくて軽いのに重厚感もあるというニュアンスの乗り味に仕上がっています。

 日本製のコンパクトSUVのように4WDの設定はなく、2WDのみとなっていて、今後も4WDをラインアップする予定はないようですが、クルマのキャラクター的にも、悪路走破性能をウリにするというよりは、ワクワクさせる雰囲気が魅力のクルマなので、それでよしとしましょう。

 また、フォルクスワーゲングループの生産モジュール「MQB」の採用により、上級モデルに匹敵する先進安全快適装備を多く採用しています。

 すでに「ユーロNCAP」で最高評価となる5つ星を獲得しており、今回の日本導入記念特別仕様車には、先行車に完全停止状態まで自動追従するACCや、歩行者の検知機能を持つ衝突被害軽減ブレーキ、後側方の死角を走る車両の検知機能などが標準装備されます。

 サイズこそコンパクトでも、大事なところはコンパクトではなく、若々しいルックスの十分すぎる機能性を身に着け、価格も控えめなTクロスは、日本でもきっと人気を博することでしょう。こんなクルマが手元にあったら、何か楽しいことがありそうな気がしてきます。

試乗車:VW T-Cross TSI 1st Plus

●車両本体価格(消費税込):335万9000円 

・全長:4115mm
・全幅:1760mm
・全高:1580mm
・ホイールベース:2550mm
・車両重量:1270kg
・エンジン形式:直列3気筒DOHCターボ
・排気量:999cc
・駆動方式:FF
・変速機:7速DCT(DSG)
・最高出力:116馬力/5000-5500rpm
・最大トルク:200Nm/2000-3500rpm
・燃費(WLTCモード):16.9km/L
・サスペンション前/後:ストラット/トレーリングアーム
・ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
・タイヤ:215/45R18

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