人気軽ワゴンの良い点・悪い点は? N-BOX、タント、スペーシアを徹底比較!
軽自動車では、背の高いモデルが人気を集めています。なかでも、ホンダ「N-BOX」、ダイハツ「タント」、スズキ「スペーシア」はとくに人気があり、軽自動車全体の販売台数の半分を占めています。それぞれの良い点・悪い点とはどのようなところなのでしょうか。
軽トールワゴンが人気! なぜ売れるのか?
最近はクルマが売れないといわれますが、軽自動車の販売は好調です。
そのなかでもとくに人気なのが、ホンダ「N-BOX」やダイハツ「タント」、スズキ「スペーシア」など、全高が1700mmを超える背の高い車種で、軽自動車販売の半分近くを占めています。
この3車種のなかで、安定的に高い人気を得ているのはN-BOXです。先代モデルで確立された、広い室内空間は、小型車と同等の広さや使い勝手を軽自動車のサイズで得られることから買い得感も強いです。外観はミニバン的でファーストカーのような立派さも持ち合わせています。
N-BOXは車内の広い軽自動車の象徴的な存在になり、ダイハツとスズキの店舗数が少ない都市部を中心に売れ行きを伸ばしました。
そしてN-BOXが好調に売れたことで、ホンダの小型/普通車は売れ行きを下げ、最近は国内で売られるホンダ車の30%以上をN-BOXが占めています。
しかし2019年11月は、タントが軽自動車の販売ランキングで1位になりました。この理由は複雑なのですが、2019年7月にフルモデルモデルチェンジしたタントの新車効果が現われたと見ることもできます。
ただし、10月には消費増税も実施され、同月の国内販売は対前年比でマイナス25%、11月も13%減っています。販売ランキングの順位には毎月の変動もあるため、少なくとも今後半年の期間で見ないと結論は出せないといえます。
軽自動車の人気が与える影響について、軽自動車の販売店スタッフは次のようにいいます。
「軽自動車はどれも外観のデザインやボディサイズが似ていて、お客さまが選択に迷うことも多いです。お客さまが判断に迷ったとき、たくさん売れているメーカーの商品を選ぶことが多いので、軽自動車のメーカーは販売ナンバーワンにこだわるのです」
背の高い軽自動車の売れ筋モデルであるN-BOX、タント、スペーシアの特徴とは、どのようなものなのでしょうか。3モデルの良いところと悪いところを比較してみます。
N-BOX、タント、スペーシアに共通する良いところは、空間効率に優れ、小さなボディに広い室内を備えているところです。後席にはスライドドアが装着され、開閉時にドアパネルが外側へ張り出さず、狭い場所でも乗り降りしやすいです。
後席を畳むと座面も下がって床の低い大容量の荷室になり、自転車のような大きな荷物も積めます。
後席にも前後スライド機能が備わり、後席にチャイルドシートを装着したときは、前側に寄せると便利です。車内最後部の荷室も広がってベビーカーなどを積みやすいです。
後席の折り畳みとスライド機能は、3車種とも左右独立式を採用。背の高い軽自動車は子育て世代のユーザーを意識して開発されたので、収納設備も豊富に装着されています。
安全装備の充実も、背の高い軽自動車に共通するメリットです。歩行者や車両を検知できる衝突被害軽減ブレーキ(緊急自動ブレーキ)、ペダルの踏み間違いなどによる急発進事故を防ぐ誤発進抑制機能などを採用しました。
N-BOXとタントは、車間距離を自動制御できるクルーズコントロールなど運転支援機能も備えています。
このように背の高い軽自動車は、運転のしやすさに加えて、居住性、積載性、収納性といった実用性を高めて、安全装備も先進的です。
その一方で、N-BOX、タント、スペーシアで注意したいのが、全般的にボディが重いことです。もちろん軽量化に力を入れていますが、安全装備も増えたことで相殺されています。
車両重量は900kg前後ですが、それでもJC08モード燃費は、自然吸気エンジンが27km/Lから28km/Lなので悪くありません。しかし、ボディが重いためにパワー不足に陥ることがあります。
パワー不足の解消には、ターボ車を選ぶことをおすすめします。動力性能を左右する最大トルクが非ターボ車と比べて1.5倍から1.7倍に高まり、一方でJC08モード燃費は5%から10%しか悪化しません。
しかもターボの価格は、ターボ車にプラスされるアルミホイール、パドルシフトといった各種装備の違いを補正して、ターボの正味価格を割り出すと5万円から7万円に換算されることが多いため、機能の割に安いです。
N-BOXとタントは、標準ボディとカスタムの両方にターボが用意されているので、積極的に選べます。
また、安全性には注意が必要です。前面と側面衝突に対応するため、サイド&カーテンエアバッグも充実していますが、後面衝突に関する乗員の安全基準はありません。
この影響もあり、後席を後端まで寄せると、後頭部とリアウインドウの間隔が狭まります。後席に座るときは、スライド位置をむやみに後端まで寄せず、後席とリアウインドウの間に余裕を残しておきましょう。
後席に座り、前席と膝の間に握りコブシがふたつ収まる程度の空間があれば、窮屈には感じません。後席のスライドは、中間的な位置にセットしておくと安心です。
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