意外と高い? 車の維持費は1年でいくらかかるのか 中古車の方が割高になる場合とは?
若者のクルマ離れ、という言葉を耳にする機会が増えました。たしかに、クルマは購入費用だけでなく維持費もかかるため、レンタカーやカーシェアの方がお得に感じてしまう人も多いと思います。しかし、ひとことに「維持費」といっても、車種やクルマの状態によってその金額には差があります。今回は、さまざまなケースにおけるクルマの維持費について紹介します。
人気のクルマ、かかる年間の維持費はどれくらい?
おもなクルマの維持費は「日常費用」「税金・車検費」のふたつに分けられます。
まず、「日常費用」とは、ガソリン代や駐車場代などです。それぞれ、車種や地域などの状況に左右されるため、事前に相場を把握しておくと良いでしょう。
次に、必須となる「税金・車検費」についてです。税金では「自動車税」、車検費には「点検・整備費」のほかに「自動車重量税」や「自賠責保険料」などの支払いが含まれています。それぞれの金額は、排気量や車体サイズ、燃費性能などによって異なります。
自動車税は、軽自動車は一律で年間1万800円、普通車は総排気量1リッター以下であれば年間2万5000円(2019年10月1日以降の新車登録)、1リッターを超えると0.5リッターごとに税額が上がります。
自動車重量税は、クルマの重さによって税額が異なります。例えば、一般的なコンパクトカーは1.5トンで年間1万2300円となります。
自賠責保険は、任意保険とは異なり加入が必須で、未加入の場合は車検を通すことができません。費用は、普通車であれば年間1万5000円ほどとなっています。
なお、これまで存在した「自動車取得税」が2019年9月30日に廃止され、翌10月1日から「環境性能割」が新たにスタートしています。ハイブリッドカーや電気自動車などの環境に優しいクルマを普及させる目的があり、環境に良いほど税率が低く設定されています。
では、これらを人気の車種にあてはめると、クルマの年間維持費はどれくらいになるのでしょうか。
2018年に国内の登録車でもっとも販売台数の多かった日産「ノート」の場合で見てみます。
まず、燃料費は、「年間平均走行距離1万km ÷ おおよその実燃費 × ガソリン価格」で計算します。
国土交通省のデータによると、自家用乗用車の年間平均走行距離は約1万kmです。
また日本自動車工業会によると、JC08モードと実燃費の差はおよそマイナス20%とされているため、ノートのガソリン仕様「X」グレードのカタログ燃費であるJC08モード燃費23.4km/Lから、実燃費を18.72km/Lとします。
そのうえでガソリン価格(ノートはレギュラー仕様)を1リッターあたり130円と仮定すると、1万km ÷ 18.72km/L × 130円/L = 6万9444…となり、年間のガソリン代は「約7万円」となります。
次に、税金・車検費です。自動車税は、排気量が1.2リッターのため3万500円です。車検費は、整備費の相場が約5万円、さらに自動車重量税は1040kgの範囲になるので1万2300円、自賠責は年間平均で約1万5000円となります。これらを合計すると「約11万円」となります。
以上の「約18万円」が1年間で最低限必要とされる費用です。これに、駐車場代や任意保険などの経費がプラスされます。なお、ノートはグリーン化特例の対象となるグレードがあり、グレードによっては最大2万2500円が登録翌年の自動車税から減税されます。
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人気コンパクトカーの年間維持費は、余分に見積もっても20万円から25万円ほどとなっています。また、減税の対象グレードであれば2年目以降はコストを抑えられるため、クルマ選びの際には減税対象となるかを調べると良いでしょう。