なぜ市販車はダサくなる? コンセプトカーは格好良くても市販化で魅力が半減する理由

なぜコンセプトカーが必要なのか?

 どんな事情があるにせよ、実現することが難しいクルマをお披露目する必要はあるのでしょうか。前述で挙げた例のように、コンセプトカーと市販車の落差があまりにも大きいと、消費者にとってはかえってマイナスイメージとなってしまうのではないでしょうか。

ハイブリッドスポーツとして新しい提案だったトヨタ「GR HVスポーツコンセプト」
ハイブリッドスポーツとして新しい提案だったトヨタ「GR HVスポーツコンセプト」

大手自動車メーカーの担当者は、コンセプトカーの必要性について次のように説明しています。

「コンセプトカーは、生産の都合などを考えなくてよい分比較的早く用意できるので、モーターショーなどの賑やかしのためにコンセプトカーを製作することもあり、そういう点では、単なるマーケティングツールになっているフシもあります。とくに市販化が近いものはそのようになる傾向があります。

 しかし、本来はそのブランドが持つ思想、そのブランドが考える未来のクルマを提示するものなので、市販モデルとは切り離して考えるべきものです。

 たとえば、自動運転が実用化される未来では、運転席という概念がなくなり、居住性を重視したボックスシート型のクルマが登場する、といったものです。自動車メーカーは数十年先の世界をも見据えているので、そうした未来を世に問うという役割もあります。

 もうひとつはデザイナー自身のためでもあります。市販化の際にはどうしてもさまざまな制約が課されてしまいますが、だからといって既存のクルマのようなデザインしかしないのであれば、デザイナーのモチベーションも上がらなく、革新的なデザインも生まれません。

 可能な限り制約を排除して、デザイナーの能力を発揮させることで、新たなデザインを産むことに役立つのです」

※ ※ ※

 コンセプトカーと市販車のデザインが異なる理由には、さまざまなメーカー側の事情があります。しかし、各自動車メーカーやサプライヤーの努力により、低コストで複雑なボディ成型を実現できるようになりつつあります。

 最近では、将来の方向性を示すものと、市販モデルに近いプロトタイプという形で棲み分けしていることもあるようです。

【画像】市販化はいつ!? 反響が大きかったコンセプトカー

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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