価格は2億5千万円? メルセデス・ベンツ「CLK-GTR」とはどんなクルマ?
世界一速い市販車は何か。メルセデス・ベンツは、この疑問にまさに「コロンブスのたまご」といえる逆転の発想で取り組みました。その結果生み出されたのが、市販レーシングカー「CLK-GTR」です。
メルセデス・ベンツ「CLK-GTR」ってどのようなクルマ?
モータースポーツのはじまりは、「どのクルマが一番速いか」という、非常にシンプルなところからはじまったとされています。メルセデス・ベンツは、この疑問にまさに「コロンブスのたまご」といえる逆転の発想で取り組みました。その結果生み出されたのが、市販レーシングカーの「CLK-GTR」です。
まだクルマがごく一部の富裕層だけのものであった1900年代初頭に、すでに英国などではレースが開催されていました。その後も、モータリゼーションが進み、多くの人々がクルマを手に入れるようになった後も、「どのクルマが一番速いか」という疑問は、多くの人々にとっては注目の的でした。
現在、世界中でさまざまなカテゴリーのモータースポーツがありますが、市販車をベースにしたクルマによるレースは人気です。
レース仕様に大幅に改造されているとはいえ、普段乗っているクルマの延長線上にあり、なおかつ身近な自動車メーカーが参戦していることから、初心者でも親しみやすいのが特徴です。
「どのクルマ(市販車)が一番速いか」を明らかにすることがそもそものはじまりであるため、当然のことながら市販車をベースに、決められたルール内で改造をおこなうことが大前提です。
そのため、市販車ベースのレースの多くが「一定以上の台数を市販しているモデルをベース車両とする」ことを条件としています。
しかし、1980年代に入り、世界的にモータースポーツの人気が高まってくると、レースに勝つことで得られるプロモーション効果が絶大となり、多くの自動車メーカーが勝利を目指して積極的に投資をすることになりました。
そして、いくつかのメーカーが、「一定以上の台数を市販しているモデルをベース車両とする」というルールの盲点を突き、レーシングカーとして設計したクルマを最低限の保安部品を追加して市販車として販売する、という策に出たのがCLK-GTRだったのです。
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