トヨタ「アルティスGR」がカッコイイ! C-HRニュル仕様など日本未導入なモデルが存在するワケ

C-HRのニュル仕様ってどんなクルマ?

 トヨタブースには、もう一台の興味深いモデルもありました。その名は「C-HR ニュルブルクリンク」。日本でも人気のクロスオーバーSUVであるC-HRにいわゆる「ニュル仕様」が設定されているのです。

 ニュル仕様のC-HRについて、トヨタモータータイランドは次のように話します。

 「トヨタGAZOOレーシングチーム・タイランドのC-HRは、ドイツのADACニュルブルクリンク24時間レースニュルブルクリンク2019で合計8687以上のカーブを抜け、3300km以上の距離を走ってSP3クラス3位を獲得しました。そのC-HRにインスパイアされたモデルで、ユーザーのライフスタイルを刺激します」

 ただし、このC-HRニュルブルクリンクは、走行性能に特別なチューニングは施されておらず、メカニズムは標準車に準じたもの。フロント、サイド、そしてリアのスポイラーと特別なデカールを組み合わせた「特別なエクステリアの装飾」として9000バーツ(約3万3000円)の追加パッケージで用意されるそうです。

 ちなみに、現地で販売されているC-HRのガソリン車のエンジンは日本(1.2リッターターボ)とは異なり、1.8リッター自然吸気。日本と同じハイブリッドモデルも選べます。

ニュルブルクリンク仕様のC-HR
ニュルブルクリンク仕様のC-HR

 ニュルブルクリンクという名前のエアロ仕様の登場にはどんな背景があるのでしょうか。

 じつは、タイの人たちはエアロ仕様が大好き。操縦性ではなく見た目をカスタマイズした「カローラアルティスGRスポーツ」や「C-HRニュルブルクリンク」は、そんなタイの国民性が表れているモデルといえるのです。

 タイの人がどのくらいエアロ仕様が好きかといえば、バンコクの街中でタクシーのフルエアロ仕様を頻繁に見かけるくらい、といえば理解できるでしょうか。

 法人タクシーまでフルエアロ化するなんて、現地を訪れたことのない人には理解できない状況だかもしれません。しかしクルマが好きでドレスアップを楽しむ情熱は、日本の上をいっているといえるでしょう。

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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