若者に人気あった超個性派スポーツカー! 変わった「可動式ヘッドライト」の国産車3選

歴代の国産スポーツカーはヘッドライトの個性もハンパない

●3代目日産「フェアレディZ」

3代目Z31型日産「フェアレディZ」
3代目Z31型日産「フェアレディZ」

 国産スポーツカーのパイオニアともいえるS30型初代「フェアレディZ」のデビューは、1969年11月。まさに70年代のスポーツカーとしてデビューしました。

 そして9年間で54万台を世界に送り出す大成功を収め、1978年に2代目にバトンを渡します。そして83年9月、ロングノーズ・ショートデッキというZ伝統のスタイリングを受け継ぎながら、空力特性を見直し、シェイプアップを果たした3代目Z31型が登場します。

 3代目の開発にあたって、日産は第一級の欧州製スポーツカーに見劣りしないパフォーマンスを発揮するクルマの開発に力を注いだといわれます。

 この3代目フェアレディZのエクステリアの特徴が、ヘッドライトです。通常の後軸回転式リトラクタブルランプではなく、ライトユニット自体が上下に垂直移動する構造で、消灯時にもレンズの一部が露出する「パラレルライズアップヘッドランプ」を採用したのです。

 Zのスタイリング上の大きな特徴であるボディ前端を削った位置にヘッドランプを装備するための処理でしたが、格納時でもパッシングライトが使えるという実用上の意味合いもあったのです。

 エンジンは伝統のL型を捨て、最新のV型6気筒を搭載します。

 2リッターのVG20ET型、3リッターのVG30ET型ともに型式が示すとおりV6ターボエンジンでした。後に再び直列6気筒エンジン「RB20DET」搭載モデルが設定されますが、これもターボエンジンで、Z31型はターボ車という立ち位置を堅持しました。
 なかでも「300ZX」搭載のVG30ET型V6エンジンは230馬力/34.0kgm(グロス)を発揮し、国産トップクラスのパワー&トルクを誇ったユニットでした。

●初代ホンダ「バラードスポーツCR-X」

 1983年7月に風変わりなコンパクトスポーツがホンダからデビューしました。「バラードスポーツCR-X」です。

 ベースとなったのは同年9月に登場する3代目シビックで、そのフルモデルチェンジに先駆けて世に送り出されたモデルです。

 つまり、シビックのスポーツクーペなのですが、バラードの名が冠されたのは、当時好調とはいえなかった「バラード」そのもののイメージアップと、ホンダ第3のチャネル、ベルノ店へのテコ入れが目的だったようです。

 その小さく引き締まったボディは、事実上2シーターと割り切ったもので、リアゲートを持ち、テールエンドを断ち切った形状の「ファストバック」ボディは、全長3675mm×全幅1625mm×全高1290mm、ホイールベース2200mm。車両重量も760kgから800kgに収まっていました。

 デビューモデルで特徴的だったヘッドライトは、半目の開いたセミリトラクタブルタイプで、独特の表情で個性を主張していました。

 搭載エンジンは気筒あたり3バルブのクロスフローヘッドを持ったCVCCの1.3リッターと1.5リッターで、1.5リッター版には電子制御燃料噴射PGM-FIが採用され、110馬力/13.8kgm(グロス)のパワー&トルクを発生。軽い車重の恩恵もあって、極めて軽快な運動性能を得ていました。

 84年11月には、130馬力/15.5kgm(グロス)を発生する新開発の1.6リッターDOHC16バルブエンジンの「ZC型」を搭載した「Si」が追加され、パワフルなエンジンと軽快なハンドリングのFFスポーツとして、CR-Xの評価を決定づけることとなります。

※ ※ ※

 紹介した3台は、異形格納式前照灯を採用した個性派スポーツカーですが、皮肉なことにモデルライフの途中でマイナーチェンジを実施し、ヘッドライトが普通の異形2灯式、あるいは普通のリトラクタブル式に変更されてしまいました。

青春よ再び! 80年代に活躍した「可動式ヘッドライト」スポーツカーを画像で見る(33枚)

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