デカけりゃいいってものじゃない! ボディがダウンサイジングされたクルマ5選

クルマのボディはモデルチェンジごとに大型化されるのが常ですが、反対に小さくなったクルマも数少ないながらあります。取りまわしやすさや、運動性能を求めてなど、理由はさまざまです。そこで、モデルチェンジで先代よりも小さくなったクルマを5車種ピックアップして紹介します。

ボディがダウンサイジングされた理由はさまざま

 日本では乗用車の場合、車体の大きさと排気量で区分されます。小型乗用車が5ナンバー、普通乗用車が3ナンバーといった具合です。

 全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2m以下、排気量が2リッター以下のクルマが5ナンバー車で、これらを超えるクルマが3ナンバー車に分類されます。

 かつて、3ナンバー車は贅沢品という考えのもと、自動車税が高く設定されていましたが、いまでは排気量のみで税額が決まるので、2リッター以下のエンジンを搭載したクルマでも全幅が1.7mを超えるクルマが増えました。

 そして、多くのクルマにおいてモデルチェンジのたびに大型化するのが、当然のようになっています。

 一方で、モデルチェンジ時にあえて全幅や全長を短くするなどのサイズダウンがおこなわれるケースも少数ながら存在しますが、どういった経緯でサイズダウンを選択したのでしょうか。

 そこで、ボディをダウンサイジングしたクルマを5車種ピックアップして紹介します。

●日産「シルビア」

モデルチェンジによりシャープさを取り戻した「シルビア」
モデルチェンジによりシャープさを取り戻した「シルビア」

 昭和から平成を代表する小型スペシャリティクーペである日産「シルビア」は、1988年に発売された5代目(S13型)から人気に火が着きました。

 5ナンバーサイズでFRレイアウトの軽量ボディにハイパワーなターボエンジンを搭載し、スポーツドライブ好きだけでなく、デートカーとしても好評でした。

 その後エンジンは1.8リッターから2リッターにスイッチし、6代目のS14型ではボディサイズを全長4520mm×全幅1730mm×全高1295mmまで拡大し、全車3ナンバーとなりました。

 しかし大型化されたボディによりS13型の魅力であった軽快感が失われたと不評だったため、1999年に発売された7代目シルビア(S15型)は、全長4445mm×全幅1695mm×全高1285mmと全長、全幅がサイズダウンし、5ナンバーサイズに戻されました。

 車両重量も1270kgから1250kgに軽量化され、エンジンは2リッター直列4気筒ターボのSR20DET型のままでしたが、最高出力220馬力から250馬力と高出力化し、新たに採用された6速MTと相まって、走りの良さもワンランクアップします。

 しかし、S15型は排出ガス規制の影響で、わずか3年7か月で生産を終了してしまいました。

●ホンダ「アコード」

よりスポーティなイメージとなった「アコード」
よりスポーティなイメージとなった「アコード」

 1976年にホンダ「シビック」の上位車種として発売された「アコード」は、ホンダの北米進出の布石ともなった記念すべきモデルです。

 発売当初は3ドアハッチバックでしたが、後に4ドアセダンが追加され「アコード=セダン」のイメージが定着します。

 そして、1993年にデビューした5代目は、販売の主戦場であるアメリカの安全基準に対応するために大型化され、日本では3ナンバー車となりました。

 ボディサイズは全長4675mm×全幅1760mm×全高1410mmと、先代から全幅が65mm拡幅されましたが、国内市場でも概ね好評に受け入れられます。

 その後、1997年に登場した6代目では「世界共通フレキシブル・プラットフォーム」という技術手法が取り入れられました。

 これはサイズに対するフレキシビリティを持ったシャシで、仕向地別にそれぞれのコンセプトを確立し、ボディサイズや形状などの地域最適化が可能になりました。

 日本向けのアコードは、よりスポーティセダン色を強めるためと、市場環境に合わせる目的で全長4635mm×全幅1695mm×全高1420mm(SiR-T)とサイズダウンし、再び5ナンバーサイズに回帰。

 エンジンもトップグレードでは200馬力を誇る2リッター直列4気筒VTECを搭載し、取りまわしがよく軽快でキビキビ走るスポーティさを取り戻しました。

●日産「フェアレディZ」

大胆に100mmもショートホイールベース化した「フェアレディZ」
大胆に100mmもショートホイールベース化した「フェアレディZ」

 日本を代表するスポーツカーといえば、50年以上の歴史を刻む日産「フェアレディZ」です。初代から一貫して6気筒エンジンを搭載する3ドアハッチバックのFRというポリシーを継承しています。

 しかし、2000年に排出ガス規制の対応が困難という理由から4代目をもって生産を終了。そして日産・ルノーアライアンス締結後の2002年に5代目となるZ33型フェアレディZが復活します。

 元々、フェアレディZはアメリカ市場をターゲットとしたクルマのため、Z33型は全長4310mm×全幅1815mm×全高1315mmの堂々としたボディに一気に大型化されました。

 ところが、2008年に登場した6代目のZ34型は全長4250mm×全幅1845mm×全高1315mmと、ワイドにはなりましたが、全長はショート化されます。

 これはホイールベースをZ33型の2650mmから2550mmと、100mmも短縮したことによるもので、初代フェアレディZのドライビングイメージを意識した結果でした。

 最高出力336馬力の3.7リッターV型6気筒エンジンによる、自然吸気らしい伸びやかな加速とレスポンス。そして、ショート&ワイド化されたボディが生むコーナーリングパフォーマンスは、現在も多くのファンを魅了し続けています。

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