日本ではイマイチ不人気車!? 小さな高級車を目指した車5選
名門アストンマーティンの小さな高級車とは!?
●トヨタ「プログレ」
1998年に登場したトヨタ「プログレ」は、全長4500mm×全幅1700mmながらも高級車を目指したクルマです。
ホイールベースは当時の「クラウン」と同等で室内空間は広く、全色5層コートのボディカラーや静粛性向上のために吸音材を多用するなど、内外装で高級感を高めていました。
ほかにもレーダークルーズコントロールや本革シート、高性能オーディオなどが設定されるなど、小さな高級車にふさわしい装備を採用。
搭載されたエンジンは2.5リッターと3リッター直列6気筒で駆動方式をFRとし、足まわりは4輪ダブルウィッシュボーンとするなど、走りの質にもこだわっています。
内容的には十分に高級車としての素質があったプログレですが、落ち着きや品の良さを追求したために、保守的過ぎた外観は年配者にしか受け入れられず、かつクラウンと大差ない車両価格だったために、日本国内でのレクサスブランド展開後の2007年に販売を終了しました。
●アストンマーティン「シグネット」
高級スポーツカーメーカーとして長い歴史のあるアストンマーティンですが、かつて1.3リッター直列4気筒エンジンを搭載する3ドアハッチバックを販売していた時期がありました。
それは、2011年に登場した「シグネット」で、トヨタのマイクロカー「iQ」をベースにしたモデルです。iQの完成車をトヨタから輸入して分解し、専用設計のボディパーツや内装に手作業で組み替えられていました。
ボディサイズは基本骨格を共通とするiQと大差はありませんが、アストンマーティン伝統のグリル形状やボンネットのエアインテーク、フロントフェンダーのエアアウトレットなどでアストンマーティンらしさを表現。
内装もシートやトリムにふんだんに本革を採用し、高級車であることを主張します。
エンジンやサスペンションなどのパーツもiQそのものでしたが、各部の遮音材追加やエンジンとトランスミッションのマウントを変更するなどで静粛性を高め、アストンマーティン流の高級車に変貌していました。
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日本では「小さな高級車」が大きな販売実績を残すことはありませんでしたが、海外では一定のニーズがあったようです。
例えば、1960年代には「小さなロールス」といわれた「バンデン・プラ・プリンセス」や、近年ではルノー「5(サンク)バカラ」、ランチア「イプシロン」などがありました。
最近は高額なコンパクトカーの場合、高出力なエンジンを搭載するスポーティ路線ばかりですが、所有感が満たされるような上質なモデルもアリかと思います。
5選の中に、トヨタのブレイドも入れてあげて。