軽自動車に個性が無くなる? 人気モデルが似たデザインや装備を採用する理由
社会の変化が人気車種の変動さえ招く可能性がある理由とは
現在は、背の高いボディと両側スライドドアを備えた軽自動車ばかりが人気となっていますが、この傾向に今後変化は現れるのでしょうか。
この点に関しては、ダイハツが2019年7月に新型モデルとなる4代目タントを発売したときに、興味深いデータを発表しています。
タントは初代モデルが2003年に発売されていますが、当時は「子育て層>若年層>シニア層」というユーザー層比率でした。一方、10年後の2013年に登場した3代目タントでは「シニア層>子育て層>若年層」と、ユーザー層が大きく変化していたのです。
この調査結果はあくまでタントに限ったものではありますが、昨今の少子高齢化の進むスピードを考慮すると、軽自動車市場、ひいては新車市場全体においても同様の傾向が見られる可能性はあります。
実際に、ダイハツはこの調査を受け、車内に設置される乗降用の「ラクスマグリップ」、自動展開する「ミラクルオートステップ」、手動でターンできる「助手席ターンシート」などを新型タント向けに開発。
ダイハツの担当者は「シニアの方が自力で乗り降りできるようサポートすることは、自立支援や介護予防につながり、移動のハードルを下げることで、彼らの社会参画につながります。多くの人が自由に移動できるような社会づくりをサポートしたいと考えています」と説明します。
この軽自動車市場の流れからは、今後は背が高くても、低床設計やシートの着座位置を抑えたつくりにすることなどが求められているといえるでしょう。ユーザー層が変わることで、乗降性を高めたいまより車高の低いクルマが人気となる可能性さえあるといえます。
国内新車販売の約4割を占める軽自動車は、そのシェアの高さから、社会の動きの変化さえ人気車種の傾向に影響が出ているのです。
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