もう二度と出ない!? 超高回転・高出力なスポーツモデル5選

「テンロク」スポーツが熱かった!

●三菱「ミラージュ」

いまの三菱車ではなくなってしまったホットハッチ「ミラージュ」
いまの三菱車ではなくなってしまったホットハッチ「ミラージュ」

 現行型の三菱「ミラージュ」は初代から数えて6代目になり、その歴史は2018年で40年にもなります。このミラージュは新興国向けエントリーカーとして開発されたため、特段スポーティとはいえません。

 しかし、かつて販売していたミラージュはかなり尖った性格のクルマでした。

 1991年に発売された4代目ミラージュは、翌1992年にはホンダのVTECに対抗すべく、「4G92型」1.6リッター直列4気筒の「MIVEC」エンジンを搭載した「ミラージュ サイボーグR」を追加。

 MIVECは三菱が開発したVTECと同じ可変バルブタイミングリフト機構で、4G92型の最高出力は175馬力を誇り、モータースポーツの世界でシビックの対抗馬になりえる存在でした。

 この後の5代目ではモータースポーツベース車の「RS」も発売するなど、「ミラージュ」は三菱を代表するスポーツコンパクトになります。

 実際に、レースやジムカーナではシビックを相手に善戦しましたが、2000年に車種整理がおこなわれたことに伴い、生産を終了します。

●日産「パルサーセリエ/ルキノ VZ-R・N1」

打倒シビックという明確な目的をもって開発された「パルサーセリエ/ルキノ VZ-R・N1」
打倒シビックという明確な目的をもって開発された「パルサーセリエ/ルキノ VZ-R・N1」

 1978年に日産「チェリーF-II」の後継車として発売された「パルサー」は、同社の「サニー」とともに小型車カテゴリーをけん引したモデルで、「ルキノ(ルキノハッチ)」はパルサーの姉妹車にあたります。

 1990年には世界ラリー選手権出場のためのベース車として「パルサーGTI-R」を発売するなど、高性能モデルを展開します。

 そして、1997年に発売された「パルサーセリエ/ルキノ VZ-R・N1」はその車名にある通り「N1」カテゴリーのレースで勝つことを目的として開発されました。

 N1マシンは改造の許される範囲が最小限に抑えられており、市販車に最も近い状態でおこなわれるレースです。つまりノーマルでのポテンシャルがそのままレースの成績を左右することになります。

 パルサーセリエ/ルキノ VZ-R・N1は打倒ホンダ シビックタイプRを目標に、日産とオーテックジャパンがタッグを組んで開発。エンジンは「SR16VE型」で最高出力は1.6リッター直列4気筒で200馬力を達成しました。

 これはシビックタイプRの185馬力を15馬力上回り、当時、同クラスでトップの出力です。

 さらに、1998年には「パルサーセリエ/ルキノ VZ-R・N1 VersionII」を発売。シャシ性能を向上するとともに、車体の軽量化を図り、さらに戦闘力を上げました。

 しかし、実際のレースではシャシ性能で勝るシビックタイプRにコーナリングスピードで分があり、打倒とはならなかったようです。

 なお、パルサーセリエ/ルキノ VZ-R・N1、同VersionIIともに限定車で、合計500台しか販売されず、いまではかなりの希少車となっています。

※ ※ ※

 いまのターボエンジンの多くは昔のような「ターボラグ」をほとんど感じさせず、普通に走っていればターボの存在を意識することがないほど洗練されています。

 一方で、高回転型の自然吸気エンジンならではのアクセルレスポンスや、吹け上がりは一度経験するとやめられません。

 しかし、手っ取り早く高出力が出せるターボエンジン全盛期のいま、かつてのような比較的小排気量の高回転・高性能自然吸気エンジンの登場は絶望的といえるでしょう。

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Writer: くるまのニュース編集部

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