ポルシェ新型「タイカン」打倒テスラ間違いナシ? 世界のEV戦略を加速させるポルシェの凄さとは
直接のライバル「モデルS」に勝つのは確実とみられる理由とは
カイエンの場合、BMW「X5」、メルセデス「ML」(当時)、キャデラック「エスカレード」、ランドローバー「レンジローバー」、さらに日系プレミアムブランド(レクサス、インフィニティ、アキュラ)のSUVなど、ライバルとなるモデルが数多くいました。
一方、タイカンのライバルはただひとつ。テスラ「モデルS」です。
2018年2月にドイツで開催されたEV向け電池の国際会議で、筆者はポルシェのEV開発担当者とじっくり話をしました。彼はダイムラー(メルセデス)のEV開発部門からヘッドハンティングされて、当時ポルシェに入社して間もないといっていました。
当然ですが、タイカン開発ではモデルSを徹底的に調べ上げています。具体的には、外装デザイン、最高速度や加速などの動力系性能、コネクティッド技術を駆使したユーザー向けのIT系サービスなどです。
そのうえで、テスラにはないポルシェとしての独創的なEV技術の投入が不可欠です。
それが、800Vの超高速・高圧急速充電です。ガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッドなど内燃機関を持つパワートレインと比べて、EVがかかえるもっとも不利な条件は、充電時間が長いことです。
ガソリン車なら数十秒間で満タンになりますが、EVは家庭でフル充電すると一晩、また急速充電でも30分間以上はかかります。
こうした弱点を解消するため、ポルシェでは一般的な急速充電(400V)の2倍の電圧による充電を実現しました。これにより、単純計算では充電時間は400V充電と比べて半減します。例えば、急ぎの時は5分間充電で100km走ることができます。
これは確実に、モデルSに対するアドバンテージになるでしょう。
ただし、800V対応には充電ケーブルを水冷化して発熱を抑える専用の充電器が必要となります。専用充電器がどこまで普及するのかが、気になるところです。
こうした充電時間短縮をウリに、タイカンはグレードラインアップや販売価格もモデルSを意識して設定されています。
アメリカでは、ユーザーが別のプレミアムブランドに浮気するケースが多く、フルモデルチェンジについて当面予定のないモデルSから、タイカンに乗り換える富裕層はかなりの数に上るのではないでしょうか。
また、欧州のプレミアム系カルチャーを好む中国の富裕層にとっても、タイカンはステイタスシンボルとしては手軽な1台になるはずです。
こうした米中のタイカンブームが日本に上陸する可能性もあります。
プレミアムEVの真打ちとなるタイカン。その動向に今後も注目していきたいと思います。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
モデルSとタイカン、全然価格帯が違いますが筆者は数字も読めないのでしょうか?
肝心の航続距離も短すぎて話になりませんし、通信系の詳細も謎です。
おまけに存在しない超高速充電の話を持ち出してモデルSに対するアドバンテージなどと断言していますが呆れてしまいます。
筆者はポルシェから金もらったり接待でもされてるんでしょうか?
ガソリンを70リットル入れるには、普通は約130秒かかります。数十秒では無理です。電圧を2倍にするから半分の時間で充電できるとする単純計算はあまりに技術的な事に対する見識が短絡的なコメントだと思います。こういった記事は数的な面での正確性を担保しないと信憑性が薄くなります。ご一考を