出るのが早かったのか失敗作か!? 販売台数が低迷した車5選
1年間に何台もの新型車がデビューしますが、すべてが売れるクルマとは限りません。もちろん、メーカーは売れると目論んで開発しますが、ダメなこともあります。そこで、販売が低迷してしまったクルマ5車種を紹介します。
残念な結果となってしまったクルマたち
自動車メーカーは莫大な予算と時間をかけて、新型車の開発をおこなっています。目論見どおり売れればなんの問題もありませんが、売れなかった場合は損失が発生することもあります。
しかし、すべてのクルマが売れるわけではないのが現実です。そこで、志は高かったものの、販売が低迷してしまったクルマ5車種を紹介します。
●日産「NXクーペ」
日産「NXクーペ」は、7代目「サニー(B13型)」をベースにクーペタイプのモデルとして開発され、1990年に発売されました。
先代サニーのクーペ版だった「RZ-1」の鋭角なイメージから一転して丸みをおびたデザインで、カジュアルなイメージとなっていました。
元々は北米市場の女性ユーザーをターゲットに企画されたモデルであり、デザインは、カリフォルニアのNDI(日産デザインインターナショナル)が手がけています。
そのため、北米で人気だった「300ZX(Z32型フェアレディZ)」のモチーフも織り込まれており、左右のルーフを脱着できる「Tバールーフ」仕様も設定されていました。
搭載されたエンジンは1.5リッター、1.6リッター、1.8リッターの3タイプが設定され、いずれも直列4気筒DOHC16バルブで、トランスミッションは、4速ATと5速MTが用意されていました。
TVCMに当時としては斬新な「モーフィング」と呼ばれるコンピューターグラフィックスを利用して、話題となりました。
セールス的には、NXクーペはスポーツモデルとしては中途半端な内容だったため低迷。北米では好調だったようですが日本では売れず、1994年に生産を終了します。
●トヨタ「パッソセッテ」
2003年に3列シートと両面スライドドアを備えたコンパクトミニバンのトヨタ「シエンタ」が発売されました。取り回しのよい車体と広い室内で、子育て中のお母さんを中心に絶大な人気を誇ります。
2008年にはシエンタの後継車として、ダイハツのOEM車「パッソセッテ」(ダイハツブランドでは「ブーンルミナス」)が発売されます。しばらくパッソセッテとシエンタは併売されましたが、2010年にシエンタの販売を終了。
パッソセッテの「セッテ」とはイタリア語で「7」で、文字通り7人乗りを強調するネーミングでした。
リアドアはヒンジドアを採用し、装備も簡素化した結果、149万円(消費税込)からと、かなり戦略的な価格設定でしたが、ユーザーにはスライドドアの利便性が求められており、パッソセッテの販売は低迷してしまいます。
そこで、2011年に異例ともいえるシエンタの再販が決定し、2012年にパッソセッテは販売終了となってしまいました。
なお、いまもマレーシアのプロドゥア(ダイハツとの合弁会社)というメーカーから「アルザ」とう車名で販売されています。
●ホンダ「クロスロード」
1993年にホンダは、当時提携関係にあったローバーグループから中型SUVのランドローバー「ディスカバリー」のOEM供給を受け、初代「クロスロード」として販売を開始しました。
ローバーの3.9リッターV型8気筒エンジンを搭載する本格的な4WD車で、営業的に成功したとはいえませんが、いすゞからOEM供給されていた「ジャズ」や「ホライゾン」とともに、ホンダのRVラインナップを形成しました。
1998年に初代の販売が終了し、9年後の2007年に登場した2代目クロスロードは、2代目「ストリーム」をベースにしたクロスオーバーSUVとして販売されます。
全長は4285mmとコンパクトでありながら、全幅は1755mmとワイドで、居住性が良好な3列シート7人乗りモデルでした。
搭載するエンジンはストリームと同じ最高出力140馬力の1.8リッター直列4気筒i-VTECと、150馬力を発揮する2リッターが用意され、駆動方式はFFと4WDを設定。
当時としてはややワイドなボディでしたが、着座位置からフロントノーズ先端の見切りなども良いために、車幅を意識することもなく日常の足に使うにも適していたといえます。
クロスロードはデザインやユーティリティが優れていたにも関わらず、「CR-V」と競合したためか販売は低迷。
結局、3年半ほどで生産を終了してしまいました。
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