車のオイル交換しないとどうなる? 放置するとエンジン破損の恐れも
「過酷な使用条件」のオイル交換サイクルも定められている
前述したオイル交換時期は、一般的な通常走行で使っているクルマに該当した交換サイクルですが、自動車メーカー各社は「過酷な使用条件」で走行したクルマのオイル交換サイクルも別途定めています。
一般的に「シビアコンディション」といわれる使用条件で、具体的にはダートの凸凹道、轍(わだち)路面、埃が立ちやすい悪路走行、峠道などアップダウンが多い登坂路、標高の高い高地走行、長時間のアイドリング、そして一度の走行が7km未満の短距離繰り返し走行などが該当します。
このシビアコンディションで走ったクルマのオイル交換の目途は、各メーカー共に自然吸気ガソリン車で「7500km、または6か月」、ガソリンターボ車で「2500km、または3か月」、ディーゼルターボ車では「2500kmから1万km、3か月から6か月」とメーカーでは推奨しています。
このなかで気をつけたいのが、ショートトリップによるオイルの異常劣化です。近所の買い物などの短距離使用は、エンジンが暖まる前にエンジンを止めるため、エンジンオイルの一般的な交換目安である「走行1万5000km、もしくは1年」になかなか達しません。
しかし、冷えたエンジンを始動するコールドスタートでは、排気ガス浄化装置の触媒を素早く暖めるために濃いガソリン混合気を噴射し、濃い燃料比率状態でエンジンの運転・停止を繰り返すと未燃焼ガスがエンジンオイルに溶け込みやすくなります。
その結果、オイルがガソリンで希釈され白濁したようになり、粘りのない油膜切れを起こしやすいオイルになります。短距離走行を繰り返したクルマのオイル注入口のキャップを開けてガソリン臭がある場合、注意が必要かもしれません。
では、定期的なオイル交換は、どこでおこなうのが良いのでしょうか。
新車で購入したクルマであれば、もっとも安心なのは、購入した販売店で点検整備とともにおこなうことです。正規販売店であれば大型ジャッキで持ち上げて、ドレーンコックを外して、いわゆる「下抜き」で劣化したオイルを完全に回収し、ドレーンワッシャーを新品と交換してから、車種に合った新鮮なオイルを規定量注入します。
対して、街の修理工場などでは「下抜き」をせず、オイルチェンジャーによる「上抜き」での交換作業が多いといいます。これは、修理工場ではその車種毎に純正ドレーンワッシャーの用意が無く、抜いたドレーンを流用することによるオイル漏れを嫌うからです。しかし、この方法では古いオイルを完全に抜くことはできません。
なお、セルフ給油タイプのガソリンスタンドが増えたことで、ガソリンスタンドでオイル交換できるところは減少しているといい、自分で交換する場合でも抜き取った廃油(産業廃棄物)の処理が足かせになるようです。
加えて、オイルエレメント(オイルフィルター)の交換も考慮すると、正規販売店での作業が純正パーツの調達を含めて確実だといえます。なお、エレメントの交換は、オイル交換2回に一度といった目安でおこないましょう。
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エンジンオイルの交換は、クルマを正常に使うために必要なメンテナンスですが、当然ながら交換の目安はクルマの仕様や利用状況によっても変わります。
走行距離や期間だけを目安にするのではなく、定期的なオイルチェックを怠らず、異常を感じた場合には販売店などに相談することを心がけましょう。
街の整備工場をバカにしてる
きちんとドレーンプラグから抜いているところは沢山あるし、こんな文面にしたら皆が誤解する