なぜ点けてはNG? 夜間のクルマ走行時にルームランプを点けると違反の可能性も

夜間の暗い車内を明るく照らしてくれるルームランプ。バスなどでは車内灯が点いているのに、なぜ一般車はルームランプを点けたまま走行しないのでしょうか。また、ルームランプを点けたまま走行するのは、違反になるのでしょうか。

夜間にルームランプを点けたまま走行することの危険性とは

 夜間の暗い車内で物を探したりするときに、ルームランプを点灯させることがあります。しかし、ルームランプをつけたまま走行することはほとんどありません。それはなぜなのでしょうか。

夜間走行時にはルームランプを点灯させない
夜間走行時にはルームランプを点灯させない

 人間の目は、カメラでいえばレンズにあたる「瞳孔(どうこう)」があり、周囲の光の強さに応じて開いたり閉じたりすることで目に入る光の量を調節しています。

 暗いところでは瞳孔が開いて少ない光でも見ようとして、明るいところでは瞳孔を閉じることで必要以上の光が入ってこないようにしています。

 夜間やトンネル内の走行は、周囲が暗いため瞳孔は開き気味です。そのような状態でルームランプをつけると、ドライバーの瞳孔が収縮して暗い周囲が見づらくなってしまいます。

 また、ランプを点けて明るくなった車内が窓ガラスに映り込むことで、車外の状況が視認しづらくなり、事故を起こす危険性が高まってしまうのです。

 さらに、周囲のクルマから自車のなかが丸見えになってしまうため、プライバシーも守られません。そういった意味でも、走行中はルームランプを点けずに、暗い状態の方が良いといえます。

 夜間にルームランプを点けっぱなしで走行することは、事故の危険性が高まるだけでなく、交通違反で取り締まりの対象になる可能性もあるといいます。大手法律事務所に所属した経験がある、元弁護士に話を聞いてみました。

「夜間やトンネル内でルームランプをつけて走行することは、直接的な違反としては明記されていません。ただし、道路交通法の70条には『運転者は、ハンドル、ブレーキ等を確実に操作し、道路や状況に応じて他人に危害を及ぼさないように運転しなければならない』と安全運転が義務付けられています。

 その観点から、ルームランプをつけたままの走行は、交通事故の危険性が高まる行為として『安全運転義務違反』で取り締まられる可能性もあります。

 路線バスなどは、『乗客の安全を確保するために、室内灯をつけなければならない』と道路交通法に記載されています。特別な許可がある車両なので、室内灯をつけたまま走行しているのです。

 ただし、運転席にできる限り光が入らないようにしたり、映り込みを減らすためについたてを設置するなど、工夫しています」

※ ※ ※

 部屋のなかにいても、室内の明るさや映り込みで、夜は外が見えにくいものです。1t以上の鉄のカタマリを動かすクルマで同様のことが起きると、自分も周囲も危険性が飛躍的に高まるのは当然です。

 各座席用にスポットライトが装備されているケースもありますが、これも走行中は視界に影響を与えて事故の危険性が高まるため、同乗者のみが点灯するならともかく、停車してから使用するのが安全といえます。

なぜ夜なのに室内灯が点いてるの!?路線バスを 画像でチェック

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