クルマの「マット塗装」なぜ増えた? 高級車に広がる人気カスタム方法とは

マッド塗装の手入れはどうする?

 独特の存在感と重厚感が得られるマット塗装ですが、それなりのお手入れ方法が必要になります。表面が繊細なマット塗装だけに、その状態をキープするためにすべきこととは、なんでしょうか。

「マット塗装の表面は非常に微細な凸凹で、触ると少しザラザラした感じがすると思います。この凹凸がつや消しに見せるポイントですので、マット塗装では(表面の凹凸にワックスが入り込んでしまうため)つやを出すタイプのワックスやコーティングなどは使用できません」(秀自動車)

模様のデザイン性があるタイプも
模様のデザイン性があるタイプも

 マット塗装はその性質上、チリやホコリが付着しやすく、またオイル染みなども落とすのが難しいため、こまめな水洗いなどで表面の汚れを溜め込まないようにすることが、1番手軽でかつ美しい状態を保つ秘訣だといいます。

「擦れにも弱いので、埃などを毛ばたきや乾いたタオルなどで落とすのもあまりおすすめできないですね。やはり弱めの水流で表面の汚れを流すのがベストです。付いてしまったシミや汚れには、アルカリ精製水(洗浄液)とマイクロファイバーで処理すれば、塗装面を傷めずに汚れを落とすことができますよ」

※ ※ ※

 また、純正ボディカラーをそのままに、マット塗装のような仕上がりにできる方法もいくつかあります。

 ひとつめは「カーラッピング」です。特殊な専用フィルムをボディ表面に貼り付ける施工法で、短時間でボディカラーを変化させることができるアイテムです。

 カーラッピングで使用するフィルムは「マット塗装」や「メタリック」など多数のバリエーションがあり、一気にイメージチェンジできます。またフィルムを剥がせば元のボディカラー(表面)は純正のまま、というのも大きな安心材料です。

 ただし、上手に貼るにはかなりのテクニックが必要です。そこでプロに頼むケースも多いのですが作業工賃が高価で、マット塗装の価格と同等かそれ以上になってしまうケースも多いといいます。

 ふたつめは、自分でDIYしてみる方法。「マットカラー」のスプレータイプも販売されていますが、失敗したら大変です。

 そこでもっと気軽に試せそうなのが「ラバースプレー」と呼ばれるスプレータイプの新しいカー用品です。これは液体のゴムをスプレーで噴射し、乾けばボディ表面にゴムの膜が形成されるというもの。もちろんマットカラーもあり、自分でバンパーやグリルなどをDIY塗装できます。

 ただし、安価なぶん耐久性が高くなく、保っても数ヶ月程度。飛び石などでも表面のゴム膜が剥がれることもありますが、ゴム膜を剥がすだけで元のボディカラーにすぐ戻せるのは大きなメリット。定期的にボディカラーを変えたい人には好都合かもしれません。

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